ビートルズにWhile my guitar gently weepsっていう曲があって、まあビートルズ200曲弱のなかでは特にすごいというわけではないと思うのですが、ジョージハリソン先生の出世曲というのと、エリッククラプトン参加ってので有名な曲ではあります。今日それを中心に若い人々と話をする機会があったのですが、そこで気づいたことのメモ。
歌詞はこんな感じ。
I look at you all, see the love there that’s sleeping
While my guitar gently weeps
I look at the floor and I see it needs sweeping
Still my guitar gently weeps
「私は君全体を見ています」はOKだけど、see the love there that’s sleeping をどう読むかは解釈が分かれると思う。命令文に読むのもありかもしれない。the loveはふつうは「恋人」だと思うけど、あれ、ちがうかもしれんね。「愛というもの」かなあ。I see the love who is sleepingみたいに理解していいのかどうか。とにかくあなた=恋人は寝てます1。
上の時点での目線はベッドにあって、それ下に動かすとごちゃごちゃに乱雑なフロアが見える。「掃除してもらわないとならないなあ」。自分で掃除しなさい!なにを言っているのですか!もっとも、「スイープが必要だ」ってんで、なんかゲロとかそういうので汚れてるのかもしれない。とにかくなんでそんな汚い部屋に「恋人」といるのですか?
I don’t know why nobody told you
How to unfold your love
I don’t know how someone controlled you
They bought and sold you
「君はちゃんと教育されてませんね、ラブを打ち明ける手段を教えてもらってません」。なんすかこれは。いったいどういう状況で他人に向かってこういう話をする機会があるんでしょうか。まあ寝てるから本人には聞こえないとは思いますが、寝姿を見ながらなんか考えながらそれをウィープさせているわけです。
「どんなふうにして他のやつがをコントロールしていたののわからない。彼らは君を買ったり売ったりしているんだ」
これもやばい。けっきょくこの語り手の目の前にいてゲロ吐いたりしているひとは、自分の意志でそこにいるわけではなく、なんかエージェントみたいな人がそこに送りこんでいるわけです。そして語り手のギターは満足できずにジェントリーにウィープしている。
まあありそうな話は、ロックミュージシャンがツアーに出てグルーピー女子を手配してもらって酒飲んだけど、なんか相性悪くてひどいことになっている、とかですか。なんかあれです。
I look at the world and I notice it’s turning
While my guitar gently weeps
With every mistake we must surely be learning
Still my guitar gently weeps
「世間を見てみると、ずいぶんいろんな変化があるようです、でも僕のギターはジェントリーにウィープしています」意味がわかりません。
「どんなミステークをしても、なにか学ぶことができるよね、でも僕のギターはジェントリーにウィープしているけどね」
I don’t know how you were diverted
You were perverted too
I don’t know how you were inverted
No one alerted you
「僕は君がなんでふつうのひとびとの生活から逸脱してしまっているのかわかりせん、そもそも君変態的でもあるようだね。君がなんでそんなに内向的になっていて僕と話ができないのかもわからない。誰も君にちゃんと注意とか指導とか説教とかしてあげなかったんでしょうね」
やばい。
I look from the wings at the play you are staging.
While my guitar gently weeps
As I’m sitting here doing nothing but aging.
Still my guitar gently weeps
僕は君が演じる演劇を、舞台の袖から見ています。そのときも僕のギターはむせび泣いてます。僕はここにいてたんに年をとります。でもやっぱり僕のギターはむせびなくのです。ちゃらららー。
いったい君のギターはどういうときにむせび泣くのですか。
まあこの曲は、語り手の観点からはまったく異質な相手(おそらく女子)と、それにもかかわらず俺のギターがむせびないてしまう男子の歌なわけですが、そういうのちゃんと理解されますかね。
まあこの曲は一般人にとってはかなり異常なことが歌われていて、ビートルズが内部でうまくいかなくなっているときの歌だ、と読めばそれでいけるのですが、しかしちゃんと読めば表面的にはもっとひどいことを歌っているという、なかなかひねった曲ではありますね。ちゃんと歌詞を読みましょう。
グルーピーとかの人たちの生活はこの本がおもしろいです。
映画だとこれがいいですね。
脚注:
この曲の「標準解釈」するなら「君たちバンドメンバーみんなを見ています、そこではバンドメンバーの間の友愛はもう眠ったままですね、僕はギターをかかえていますが、音を出す機会もないのでむび泣いています」ぐらいかな。
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