THE BLUE HEARTS 「1000のバイオリン」、Dish//「猫」

学生様から教えてもらった曲の続き。

The BLUE HEARTS 「1000のバイオリン」

https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=39501

これはいいっすね!最高っすね!っていうか、なんでブルーハーツを学生様に教えてもらうなんてことになってるんだ。CDはもってたはずだけど、そんな何回も聞いてるわけじゃないからか。

「ドンッタタッタ!」のイントロいいね。ギターサウンドも最高。パンクロックの最高峰。ロックというのはこうでないとならんと思う。

主人公は中学生か高校1年ぐらい、別になにもとりえがなくて、教室でぼーっと机の上の鉛筆と消しゴム眺めてヒマラヤだのミサイルだの考えてる。夜になると彼は支配者たちと晩御飯食べたりいっしょにテレビ見たりするけど、支配者たちに心は許さないのだ。夜支配者が寝たあとでベッドからこっそり抜けだすして冒険に旅立つのだ!ハックルベリーが友達だから本人はトムソーヤで、まあ自分が実はおぼっちゃんであることはよくよくわかっている。それでも冒険するんだよ。少なくとも布団の中や、授業中にはね。熱いトタン屋根の上には猫もいるしね。さいこう!


Dish// 「猫」

https://www.uta-net.com/song/234121/

これはとてもすぐれた曲だと思う。優秀すぎてびっくりした。

まあDishのボーカルの人(北村くん)ものすごい歌うまいし、歌詞の内容も十分咀嚼して、ライブなのに完璧な歌唱ですごい。

あいみょんの曲と歌詞は、ものすごく新しいってのではないんだけど、とんでもなく高品質だと思う。

最初「夕焼け」キーワードで夏の終りぐらいの季節感を一気にバチっとキメてる。「飲みこんでしまえ夕焼け」「明日ってうざいほど来るよな」みたいなのがなんか自暴自棄というかガクっときている感じが出ている。

「君の顔なんて忘れてやるさ/馬鹿馬鹿しいだろ、そうだろ」のところ、「〜〜〜馬鹿!〜ばかしいだろう」みたいになっていて、聞き手に「この馬鹿!」って言おうとしているのがほんとにうまい。北村くんもよくわかってる。

サビのところ、「心と体が喧嘩して」のところがミソだと思う。これ、すごいっすよね。心と体が喧嘩している。意見がくいちがっている。つまり、心は「もういいや」っていってるけど体は欲しがっている、「おらおら、体は正直じゃねーか」というやつですね。これ、男子の歌じゃないよね。男子だとこういうふうにはならない。だって「俺の頭はいやがってるけど下の方の大砲がおまえを狙っている」とか北村くんが歌うにはひどすぎる。まあ男子はふつうはこういうふうには感じないわけですし、もし感じててもそういうことは歌わない。それが許されるのは女子だけ。実はこれ、「僕」が一人称だけど女子の歌なんですわ。

「家まで帰ろう一人で帰ろう」「家までつくのがこんなにも嫌だ」みたいな感じもほんとに実感がこもっている。

最後のところ、「君がもし捨て猫だったらこの腕の中で抱きしめるし/ケガしているならその傷拭うし/精一杯の温もりをあげる」みたいなの、これも男子のものではない。いかにもケアリングな女子の愛情表現よねえ。もちろん女子はこういう感じで男子から想われたいと思うと思うけど、実際の男子はこういう発想がない。

女子が、百合的な関係にある身勝手な女子にあてた歌か(「マリーゴールド」も百合風味だし)、あるいはずばり拾ってきたけどどっか行方不明になってしまった猫にあてた歌ですかね。それにしても等身大の切実さがあって感動させる。男子が歌うとなおさら効果的。すばらしい。

この、ちょっとジェンダー・セクシュアリティ的に曖昧なところがあいみょんの曲の魅力でもある。あいみょん本人のライブバージョンもあるけど、わたしは北村くんのやつの方が効果的だと思う。

Visits: 44

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です