ポップ音楽でリテラシー (4) 音楽分析マストハブ

今年も2回生ゼミ(前期)ではメディアリテラシーみたいなのやっていて、やっぱりポップ音楽からやろうかとしてます。まあそういう題材でゼミするっていうが私に許されるかどうかわからないんだけど、基本的にこの時期は好きなものについて調査したりプレゼンで熱く語ったりできるようになってもらうのが目的なので、題材はなんでもいいといえばなんでもいいというのもあり。私の担当の「倫理学」とかの授業をやっとやってる時期なので、私の専門に近い面倒な話はやりづらいというのもある。

連休つかって、書籍ながめたり、日本の論文いくつかあたってみたり。でもなかなか文献情報が見つからないのでよね。卒論はJ-POP論で書きたい、みたいな学生様たちは全国でかなり大量にいるんじゃないかと思うんですが、手引きがないのはこまりますね。

私が見たものからいくつか紹介しておこうかしら。

おそらく概説でいちばん定評あるのはシュクラー先生のこれだと思う。これは版を重ねていて、楽曲だけでなく、ポップ音楽の歴史やそれをとりまく産業や聴衆とかの話までカバーしたもの。

楽曲に特化して分析の手法を示しているのは下のがいまのところ(私が見たなかでは)最強な感じ。

録音芸術としてのポップ音楽を楽音レベルで分析する手法を提示していて、楽曲の構造やらレイヤーやら歌詞におけるペルソナ(語り手や聞き手やパフォーマー)の問題やら、楽曲を一番大きな単位として考えるときにはとても優れてる。

同じようなのをもう一冊おさえておくとすれば下の。

こっちはもっと大きく楽曲を売ったり享受したりするところまで分析しようってものだけど、歌詞の分析に一章使ってる。ここまでの3冊もって目を通しておけば、まあそれなりにしったかぶりとかできそうな気がしてるんだけど、どうだろう。

下のは、実際に1人1曲を担当して細かく分析してみせてくれているもの。

他にも、私が目を通してみたのはここらからいくつか拾えると思う。
https://booklog.jp/users/yonosuke1965?keyword=popular&display=front

下の『ユリイカ』特集目を通してみたんですが、文献情報もそれなりにあって勉強になりました。15年ぐらい前の「J-POP」の歌詞にまわつわる問題意識がわかる。

それに収録されている増田聡先生や北田暁大先生の論文を観ると、ポップ音楽研究で国内でわりと有名なのが下のものらしいけど、私は未読。入手がむずかしそうでまだ見てないです。

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