なんかレポートを書こうとするととりあえず「広辞苑によれば〜とは〜である」とやる人がいます。これはいろいろ有害。
- 広辞苑は国語辞書。言葉の意味を説明しているだけ。
- 学問用語にはめっぽう弱い。なんかわかりにくいし。実際読んでもわからんしょ?
- 広辞苑だけが国語辞書じゃないぞ。私は大辞泉が好き。
朝日新聞の「天声人語」とかがよく「広辞苑によれば〜」ってやってて、中高の先生がそれをまねたり、まねろと指導しているからそういうことしちゃうんですよね。高校生までなら許せますが、大学生はそれじゃだめなの。
どっから手をつけてよいかわからないなら
- もちろん、最初は広辞苑なり大辞泉なりをひいてよい。辞書をひく態度は立派。偉い!
- でもそれだけじゃたいてい理解できない。
- とにかく、まずは教科書があるなら、教科書における定義と説明を見る。(そういうのがはっきりしていない教科書はよい教科書ではない)
- だから定番の教科書を知っておくことが必要。教科書がない場合、どっから手をつけてよいかまったくわからない場合は、次に百科事典(平凡社の『世界大百科事典』とか)をひく。
- これでかなり明確な知識が手に入る。
- もちろん Wikipedia日本語版 も使ってもよい。でも百科事典に比べて質が落ちるし、分野によってはまったく使いものにならない。だからまず百科事典。
- さらに、その概念なり事象なりがどの学問分野で扱われているかわかれば、その学問分野の専門事典をひく。『社会学事典』とか『フェミニズム事典』とか。
- すると、専門の事典では、必ず重要な参考文献が挙げられているので、次はそれを読んだりするわけです。
詳しくは戸田山先生の名著『論文の教室』を読んでください。
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