書いたものを他人に見てもらうときは、2部もってくるものだ

就職活動のためのエントリーシートやレポート、論文などを他の人に見てもらうのはとてもよいことです。

戸田山和久先生も、その名著 『論文の教室』 (NHK出版) で、「パラグラフを育てるのにいちばんの方法は、他の人に一文ずつ声を出して読んでもらって、わかりにくいところにツッコミを入れてもらうこと」だとおっしゃっておられます(p. 202)。これ「パラグラフ」だけじゃなくて、文章全体について言えることだと思います。
とにかく他人に読んでもらってチェックしてもらおうという態度は偉い。しかしだね 、ただしそのときに、1部だけ持ってきて、「読んでください」じゃだめなの! ちゃんと読んでもらう分と自分の分の2部もって来んかい!「えーと、この部分は」「どこの部分ですか?」とかやってたら日が暮れるでしょ。3人いれば4部、4人いれば5部もってくるものなの。

形式はだいじです

それにしても、レポートでも卒論でも引用その他の形式がちゃんとしているかどうかだけでその文章の内容の質がわかってしまいます。大人数の授業のレポートなんかはそれだけでA/B/Cぐらいは採点できちゃう。なんというか、そのひとがどういう人か—アカデミックな訓練を受けているかどうか、先行研究に対する敬意があるかどうか—がわかるのね。私は最近、研究会なんかでもレジュメの出典のつけかたなんか見てから話を聞くようになっちゃってます。

まあでも私自身もちゃんとできないんですけどね。それは私自身がちゃんとしたトレーニング完了してないからさ。ははは。まあやっと最近そういうのがわかってきたってことでね。まあ教師も学生とともに成長しているのです。


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