ブーニン先生のセックス倫理学本は最高です

デヴィッド・ブーニン先生という私が以前から尊敬している応用倫理学の先生がいるのですが、2022年に The Palgrave Handbook of Sexual Ethics という素敵な本を編集してくれて助かっています。

目次はこんな感じ → https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-87786-6 タイトルだけ訳しとくとこんな感じ。

  1. イントロ
  2. Freser 「性道徳の形而上学的基礎」
  3. Halwani 「性的快楽の倫理学」
  4. Ward & Anderson 「エロチックなオブジェクトであることの倫理的意義」
  5. Hay & Varden 「グッドセックスとバッドセックスの誘惑という問題についてのカントとアーレント」
  6. McKeever & Brunning 「性的嫉妬と性的貞節」
  7. Marino 「性的使用、性的自律、適応的選好:性的モノ化に対する社会的アプローチ」
  8. Tooley 「マスターベーションと不合理/不道徳な性的活動」
  9. Demetriou ヴァージンとモテ男:インセル問題の解決としてのモノガミー制度」
  10. Kaczor 「同棲の倫理学」
  11. Beckwith 「なぜ性的暴行は特別か:取引的セックスと神聖なる制度」
  12. Flanigan 「欺瞞とセクシャルハラスメント」
  13. Benatar 「同性愛、獣姦、ネクロフィリア」
  14. Ncrcross 「婚前禁欲の不道徳性」
  15. Miller 性的自律と性的同意
  16. Dougherty 「セックスへの熱意ある同意」
  17. Soble 「性的同意の十分性」
  18. Woodard 「バッドセックスと同意」
  19. Pascoe 「女性をリスペクトする:#MeToo後に同意を越えて考える」
  20. Kershnar 「法定レイプは犯罪であるべきか」
  21. Bianchi 「性的同意、認知症、福利」
  22. Boonin 「搾取と性的同意」
  23. Shrage 「欺罔によるレイプ問題の解決」
  24. Bedi 「性的レイシズム」
  25. Abbate 「人種的性的差別:道徳的権利か道徳的不正か」
  26. Mintz 「性的能力主義:セックスワークが最善の解決法か」
  27. Liberman 「性的排除」
  28. McArthur 「セックスとテクノノジー:Tinderからロボットセックスへ」
  29. Rocha 「大学パティーフックアップ:同意、アプリ、ダブルスタンダード」
  30. Barry 「#MeToo と 加害者晒しの倫理学」
  31. Corvino 「下品なファンタジー(セックスロボットについての後書きつき)」

倫理学の大物もけっこう入っていておもしろそうですね。そして実際おもしろい。私はやっと同意に関するやつ(上のリストの15〜23)をぽちぽち読んでいるところです。特に18の「バッドセックス」論文はおもしろかった。これは起爆力がある。これから少し内容を紹介したいと思っています。

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