堀田義太郎さん & 弁護士JPニュースの「男性へのヘイトスピーチ」記事 (6)

弁護士JPニュースの「“男性特有の匂いが嫌い”や“おじさん詰め合わせ”は「差別発言」指摘も…男性への「ヘイトスピーチ」とはいえない明確な理由」へのコメント続き。

追記

んで、記事をもっと好意的に読んだ場合、堀田さんたちが言いたいのは、「男性の悪口は概念的にも事実的にもヘイトスピーチにはならないぞ!」ということではなく、「 ヘイトスピーチという深刻かつ重大な言葉/概念を簡単に使うのはやめろ! 」だと思うのです。これならわかるし同意する。(でもそのときに無知や不勉強や悪しき態度を想定する必要はない。単に学者たちが定義を検討せざるをえないような難しい概念は難しいというだけのことなのだから)

ヘイトスピーチは人々を扇動する悪しき言論であって、その結果も場合によっては非常に重大なものなる、そしてこの言葉は、そうした 重大なものを論じるために限定したい 、っていう欲求がある。これは差別や紛争の問題をまじめに考えればそうなるだろうと思います。

「〜は男性に対するヘイトスピーチだ」っていうのはむしろ「〜は男性差別だ」「性差別だ」「男性に対する侮辱的表現だ」ぐらいで十分にその意味がわかるし、「ヘイトスピーチがなんであるか」ということなんか考える必要がない。

そしてこうしてしまえば、ある発言が性差別/男性差別や性別に関する偏見なのか、異性や同性に対する侮辱なのか、どの程度まで許されるべきか、とかっていう実質的なことを話しあえるようになる。汗かいて労働している人々、いろんな事情があって体臭をまとってしまっている人々に対して「臭い、風呂入れ!」みたいな言葉を投げつけるのがどういうことか、いろんな事情で高齢者男性ばっかりになってる集団を詰め合わせセット呼びするのがどうなのか、「女は感情的だ」とかってのくりかえして話を聞かない、「人文学者は御花畑だ」は大丈夫か、そういうことを話しあえばよい。それぞれが侮辱的な表現を見て感じる苦痛について率直に話しあえばよい。

SNSはどういうわけかカタカナ語が好きで、いろんな新奇なカタカナ語を導入してきめつけをおこなうことがよくあるわけですが、そういうのは避けましょう。自分でわかってない言葉使ってもいいことはあんまりありませんし、無用な誤解や対立をまねく。

そういう趣旨の論説だとしたら、私はそれには賛成ですね。でも、自分たちがよく理解していないカタカナ語を使ってしまったりするのはよくあることで、そういうのにも寛容であってほしいとも思います。そういう悪しき習慣みたいなのを止めるにはどうしたらいいんでしょうね。やっぱり大学教育とか、アカデミア/インテリがわかりやすい論説をネットに書いていく、とかですか。がんばりましょう。

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