セックスの哲学

難波優輝さんの『性的であるとはどのようなことか』(4) 第2章・第3章はとてもおもしろい

なんか文句みたいなのいろいろ書いてしまいましたが、『性的であるとはどのようなことか』の第2章と第3章はたいへんおもしろい議論をしていて、これは高く評価されるべきだと思います。勉強になりました。第2章では、性的な広告(「性的」がどういう意味で...
セックスの哲学

難波優輝さんの『性的であるとはどのようなことか』(3)

第1章 性的なものの何が悪いのかまず「性的なものの何が悪いのか」。「しばしば、性的な広告は「悪い」ものであると批判される。例えば、巨大な胸や太ももを露わにしたキャラクターの画像が駅構内で掲示されると、しばしばSNSで炎上が巻き起こる。あるい...
音楽

ポップスジャムセッションの遊び方 (2) 苦しむベース初心者

この演奏中に私がなにを考えていたのか、ってことですが、まあたいしたことは考えられてない。ドラムの方はファンクもジャズも叩ける方でいい感じでリズム出してくれたので、ベースとしてはそれを邪魔しないように一定のリフを繰り返しているだけですね。ホス...
セックスの哲学

難波優輝さんの『性的であるとはどのようなことか』(2)

続きです。序章「性的であるとはどのようなことか」
セックスの哲学

難波優輝さんの『性的であるのはどのようなことか』 (1)

美学を専門にしている難波優輝先生はセックスの哲学やその周辺に関心をもっておられ、たいへん優秀で「書ける」方で、注目しています。『性的であるとはどのようなことか』という本をお書きになったので読んでみました。この本は「性的な広告」とかをめぐるS...
音楽

ポップスジャムセッションの遊び方 (1)

前にジャズライブの楽しみ方っていうのを書いたんですが、最近はライブハウスでみんなで楽器もって遊ぶ「ジャムセッション」っていうのに参加するようになったので、それの楽しみ方(あるいは苦しみ方)をレポートしてみたいと思います。どうも最近、ライブハ...
読書

2025年に読んだ本ベスト10

恒例の順不同。ドゥ・ヴァール『サルとジェンダー』ジェンダー問題考える上でたいへん重要だと思います。廣瀬大介『リヒャルト・シュトラウス/楽劇 ばらの騎士』リヒャルトシュトラウス愛がすごい。エレクトラやサロメもこの長さで書き直してほしい。スティ...
教員生活

2025年度に図書館に入れてもらった本

12月暫定版。正式版は3月に。007.13/St8 インガ・ストルムケ 考える機械たち : 歴史、仕組み、倫理--そして、AIは意思をもつのか?007.2/H32/2 ユヴァル・ノア・ハラリ AI革命 (Nexus : 情報の人類史:下)0...
教員生活

今年の授業で試してみたこと

私は教員生活30年ぐらいやってるのにいまだに迷える子羊で、毎年あれこれ試行錯誤しています。まあこれは向上心があるというかよいことでもあるかもしれませんなあ。今年試してみたこと。漢字テストどうも学生様が漢字読めないことがあるようなので、1〜2...
セックスの哲学

ゲリラ訳:ワイツァー先生の「セックスワークを理論化する:セクター別アプローチ」

なんか国内でも、売買春の数を減らすために、売春者ではなく客の方を処罰しようという「北欧モデル」を採用しようという動きがあるようで、政府が検討に入っているようですが、まあいろいろ問題もあると言われている仕組みなのでどうなるのかいろいろ注意して...
音楽

スティービーの「迷信」をキーボードで弾くために

ブルースやファンク中心にやってるジャムセッションに参加するのが現在数少ない楽しみの一つなのですが、Superstitionよくやるので参加したいんですが、むずかしいのよね。キーボード弾くとなればやはりあのリフを引き続けたいわけだけど、それら...
ジェンダー

杉田俊介先生の『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』で参照されている書籍

杉田俊介先生の『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』という本がSNSで話題になっていたので読んでみました。「なるほど」と思うところも含めていろいろ思うところはあるのですが、興味深かったのは言及されている書籍(と雑誌論文、オンライン記...
読書

ブックガイド:恋愛についてのおすすめ心理学書

ブックガイド: 恋愛心理学のおすすめ本、ブックガイド: 恋愛心理学のおすすめ本2024のアップデート。ダンバー (2025) 『ヒトはなぜ恋に落ちるのか』現在の進化的観点からの恋愛・配偶についてわかってることのまとめ。ダンバー先生ならでは、...
映画

『アナと雪の女王』についての私の感想は最高じゃないだろう

やっと気になっていたディズニーの『アナと雪の女王』を見ました。卒論でディズニー(とジェンダー)を扱いたい、という学生様は数年に一人ぐらいはいるので、そのたびに自分でも鑑賞とかしなきゃならんのですわ。『アナ雪』、とてもよかったですね。筋はまあ...
教員生活

ゼミの成績評価はとりあえず自己評価してもらう

「私がゼミで学生様たちに指示していること一覧」を作ってもらったところで、これらを各自まとめて、さらに自分なりのゼミでの評価項目を決めて、それぞれSABCで自己評価してください、それぞれの評価にはコメント(理由)をつけてください、という課題を...
お説教

私がゼミで学生様たちに指示していること一覧

ゼミでの学生のパフォーマンスを評価するというのは難しい作業です。今年は1、2、4回生の最終回に、グループワークとして「江口が授業中に指示したこと」の一覧を作ってもいました作業に使ったシート。。提出されたメモをならべただけのものを貼っておきま...
倫理学

倫理学と進化理論の本

授業に関連して自分のところの学部生向け。進化理論から倫理学を見た本のおすすめ。著名な学者・ライターは、スティーブン・ピンカー(認知心理学)、マイケル・トマセロ(認知心理学)、デヴィッド・バス(進化心理学)、フランス・ドゥヴァール(動物行動学...
セックスの哲学

このブログで取り上げた、文献の参照に問題がある研究

このブログでとりあげた参照に問題があるものの一部。 以前のエントリ「他の研究者先生を信頼できないのはつらいことです」から分離しました。島岡まな先生中西祐子先生田中東子先生高橋幸先生の 斎藤圭介の。ガブリエル・ブレア『射精責任』の解説にコメン...
セックスの哲学

島岡まな先生の例の記事についてまじめに考えたい学部生向けの注意書き (2)

続きです。 (1ページ目)なぜ異例の逆転無罪になったのか2022年の事件についての大津地裁〜大阪高裁の判決ですが、こうしたニュース記事等で裁判について読む場合には、できるかぎり判決文を入手するようにしてください。法学部のある大学では判例デー...
セックスの哲学

島岡まな先生の例の記事についてまじめに考えたい学部生向けの注意書き (1)

前のエントリで取り上げた島岡まな先生の記事について、特にそうした問題に真面目な関心のある学部生ぐらいの人に向けての注意書きです。ぜひこれを機会に勉強しましょう。(1ページ目)日本の中絶手術は、子宮の胎児を掻き出す「掻把(そうは)」が一般的だ...
セックスの哲学

島岡まな先生のピル大国フランス信仰について

島岡まな先生は、ピル使用率が低いことをもってして、日本は女性の自己決定権が尊重されていないということを主張しておられるようです。 日本でのピル服用率は2.9%で、カナダの28.5%やフランスの33.1%などに比べると、かなり低いことがわかり...
セックスの哲学

島岡まな先生の妊娠中絶件数/実施率への言及について

島岡まな先生という権威ある法学者の先生が、President Onlineのインタビューに答えた記事が話題になってましたが、私もいろいろ問題が多い記事だと思うのです。問題の数が多くて挙げきれないんですが、一個だけ。島岡先生は日本ではピル利用...
セックスの哲学

男女共同参画局の妊娠中絶率のグラフについて

以前、「妊娠中絶は「10代女子の問題」ではありません」っていうエントリ書いたんですが、最近、男女共同参画局の資料見てたらこういうグラフあったんですよ。これは平成29年度の「男女共同参画社会の形成の状況」の「特集編 スポーツにおける女性の活躍...
ジェンダー

中西祐子先生の『男女の進学格差はなぜ埋まらないのか』 (5) おまけ:ハキム先生の「選好理論」

おまけ。「結婚持参金」としての学歴の話なんですが。まあ非常に古い話なんですが、キャサリン・ハキム先生が2000年にWork-Lifestyle Choices in the 21st Centuryって本を出してて、そこで「選好理論」ってい...
雑記

中西祐子先生の『男女の進学格差はなぜ埋まらないのか』 (4) 結婚すると女性の大学進学収益率が減るのは、配偶者たちの選好の結果でもあるのでは?

さらに、中西先生は、遠藤さとみ・島一則 (2019) 「女子の高等教育投資収益率の変化と現状」という研究を参照する。私自身はこういうの読み慣れていないので正しい評価できてるかわかりませんが、これもたいへん優秀な研究ですね。これです。 この論...
雑記

中西祐子先生の『男女の進学格差はなぜ埋まらないのか』(3) 女性にとって大卒がもたらす経済的利益

まあ進学の差がはっきりしている領域はあって、頻繁に指摘される女子はSTEM学部 (科学、技術、工学、数学)に進学しないっていうのはこれは問題がないですね。なんで女子はSTEM分野に進学しないんですかね。(私はそれの大きな要因は女子の好みでは...
ジェンダー

中西祐子先生の『男女の進学格差はなぜ埋まらないのか』(2) 進学の男女格差は本物なの?

ジェンダー

中西祐子先生の『男女の進学格差はなぜ埋まらないのか』(1) ジェンダーギャップ指数から話がはじまっていると不安になる

岩波ブックレットは、重要な社会的問題について、権威の先生たちにわかりやすく説明してもらえるたいへん優秀なシリーズで、学生様たちにも「最初の一冊」としておすすめしています。職場なので女子学生の進学とか進路とかについて考えることが増えているので...
セックスの哲学

ジェンダーギャップ指数(GGI)について目を通しておいてほしいページ

自分用(そして学生様用)メモ。ジェンダーギャップ指数(GGI)についてはいろいろ解説があるのですが、私のおすすめのものをあげておきます。KY  (2024) 「ジェンダーギャップ指数の読み解き方(2024年版)」 ( ← とにかくこれだけは...
セックスの哲学

無限定の「性的」という言葉はできれば避けてほしい/「セックスの対象にならない」

伊藤昌亮先生の「「表現の自由戦士」たちの戦い、その背景とイデオロギー」というのもめくってみて、これは示唆的な論文でおもしろいと思いました。「ツイフェミ対オタク」の対立の背景には、右派的な権力による表現規制に対抗するリベラル派による反権力とし...