「レイプ神話」での性的動機 (6) レイプ神話批判の研究への影響

というわけでうまくまとめられなかったので、ぜひ紹介した本読んでください。とにかくまず『人はなぜレイプするのか』がいいと思う。まだ古びてない。

んで、「「レイプ神話」自体がフェミニストの神話だ」みたいな意見も一部にあって、これが微妙なんすよね。「支配欲」は神話っぽい気がするし、他にもいくつか気になるところがある。

神奈川県警の紹介。 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p787148.html

まあ標準的な「レイプ神話」と事実の紹介なんですが、たとえばこれの「神話1」の「すべての年代の女性が被害にあってます」っていうのはどうなんだろう。たしかにすべての年齢の人が被害受けてるんですが、やっぱり被害受けやすい年齢っていうのがあるんですよね。

内山絢子先生という偉い先生がいらっしゃって、警察とかにいた性暴力の専門家ですが、「性犯罪の被害者の被害実態と加害者の社会的背景」(上下)という論文があります。これは非常に優秀な論文で、よく警察関係者によって参照されてます。基本的にレイプ神話に対して、事実はこうだって示していて、とてもグッド。

でも気になるところもある。性犯罪被害者の年齢層の分布を示しているんですが、どうでしょう。数字は%です。

被害者の年齢強姦強制わいせつ
6才未満0.02.51.4
6-122.716.810.7
13-1722.126.324.5
18-1918.114.315.9
20-2431.121.525.6
25-2911.710.511.0
30-344.72.83.6
35才以上9.75.57.3

これへんな表ですよね。内山先生がどういうつもりでこれつくってるのかわからないけど、「被害者の年齢」が均等になってないので、18〜24才のところがすごく大きなボリュームになってることがわかりにくい。見たとき、「これって、あの「レイプ神話」が神話だってこと、つまり、「どの年齢の女性も被害者になりうる」を正当化するためにわざとやってるのかな、みたいなことを考えてしまいました。実際にデータから読みとれるのはやっぱり10代末から20代前半が被害者になりやすいってことですよね。なんかゲスの勘繰りでもうしわけない。(追記。この件について下でコメントもらってます。なるほど。やっぱりゲスでしたすみませんすみません)

でも、こういう年齢層の人に、「被害に会いやすい年齢層です」って教えるのはそんな悪くない気がするんですが、どうもそういうことを言うと「レイプ神話だ」みたいなことを言われてしまう危険性がある。こういうの「レイプ神話」ていうのどうなんかな、みたいなことを考えてしまうわけですわ。ひょっとすると昔流の「レイプ神話批判」が研究を歪めちゃってる可能性がありそうな気がするわけです。

まあでも印象的にするために「神話」って呼ぶのはしょうがないですかね。

 


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「レイプ神話」での性的動機 (6) レイプ神話批判の研究への影響」への2件のフィードバック

  1. 坂東α

    変な図というより、警察にとっての取り扱いで区分してるんではないですかね
    6歳未満は未就学児
    12歳以下は同意/非同意問わず強姦
    18歳未満は児童(多分ここまでは少年課)
    18歳以上20歳未満は児童ではないが未成年
    20歳以上は5歳刻み
    そんなに不思議でもないですが

    返信
    1. 江口 投稿作成者

      ははあ、なるほど。ありがとうございます。

      返信

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