昭和3年4月
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&aname(d19280401){四月初一}; 曇りて風甚寒し、午後[[笄阜]]子来訪、晡下[[お歌]]来る、相携へて銀𫝶に出で[[藻波]]に登りて晩餐をなし、十一屋その他にて待合客用の杯盤雑具を購ひ、江島印房にて[[仕切判]]を注文し三番町に赴きて宿す、 &aname(d19280405){四月初五}; 書肆[[改造社]]印税金七百九十七円八拾銭住友銀行小切手を以て送り来る、午前[[冨田砕花]]氏[[上田博士]]全集のことにつき来談、晡時[[お歌]]来る、日本橋へ歯の治療に徃きし帰掛なりといふ、夕餉の後満月の光冴渡りたれば歩みて四谷に到り別れて帰る、市兵衛街表通の老桜漸く開きそめたり、 &aname(d19280410){昭和三年四月十日}; 春雨霏々たり、[[無産党]]員上原某面会強要のことにつき万一の備をなさむとて、電話にて[[平井弁護士]]を招ぐ、平石今日は浦和にて用事ありてこれより停車場に赴かむとする処なりとの事に、明日を待ちて面談せむことを約す、余窃に思ふに、この度無産党員のわが家に来襲せしは過般[[改造社]][[春陽堂]]両店より受取りたる[[一円本]]印税巨額に達したるを探知し、脅迫して之を強奪せむと欲するものなるべし、事件は猶甚しく切迫せざるを以て未警察署には訴出でざるなり、縦へ訴出づるも今日は警察署は果して能く此等不逞結社の暴行を制圧すべき力あるや否や疑なきを得ず、震災後わが現代の社会を見るに其の表面のみ纔に小康を保つに過ぎず、政府の威信は政党政治のために全く地に堕ち、公明正大の言論は曾て行はれたることなく暴行常に勝利を博するなり、当今の世は幕府瓦解の時代と殆ど異ることなきが如し、乱世に在つて身を全くするは名心を棄て跡を晦ますより外に道なし、戊辰の変に当り鴻儒息軒先生は市中を捨てゝ郊外の農家にかくれ、[[成嶌柳北]]は未[[帰商]](=士族が商人になること)の許を幕府より得ること能はざりし時毎夜本邸に帰らず巧に其の所在をくらましたり、余の如きは一介の戯作者に過ぎずその身分その地位前賢と比較すべきものにあらざるや言ふを俟たず、然るにたまたま売文の資を得るや兇悪なる結社の党人日々来つて之を奪ひ去らんとす、世道人心の敗頽は幕府衰亡の際より更に一層甚しきものありと謂ふべきなり、余は既にこの度の事起ざる以前より世の有様を見て文筆を棄てむと決心し居れるなり、幸に[[お歌]]三番町に引移り待合を開店せむとす、これ余が隠家には最適したる処なるべし、[[晡時]]家を出で[[お歌]]を訪ふ、夕餉の膳に近鄰の仕出屋山本といふ家より[[烏賊と独活の甘煮]][[鮪のぬた]]を取寄す、山の手の物としてはその味賞すべし、十一時家に帰る、雨歇みしかど空猶墨の如し、[[*>摘々録断腸亭日乗から]]
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&aname(d19280401){四月初一}; 曇りて風甚寒し、午後[[笄阜]]子来訪、晡下[[お歌]]来る、相携へて銀𫝶に出で[[藻波]]に登りて晩餐をなし、十一屋その他にて待合客用の杯盤雑具を購ひ、江島印房にて[[仕切判]]を注文し三番町に赴きて宿す、 &aname(d19280405){四月初五}; 書肆[[改造社]]印税金七百九十七円八拾銭住友銀行小切手を以て送り来る、午前[[冨田砕花]]氏[[上田博士]]全集のことにつき来談、晡時[[お歌]]来る、日本橋へ歯の治療に徃きし帰掛なりといふ、夕餉の後満月の光冴渡りたれば歩みて四谷に到り別れて帰る、市兵衛街表通の老桜漸く開きそめたり、 &aname(d19280410){昭和三年四月十日}; 春雨霏々たり、[[無産党]]員上原某面会強要のことにつき万一の備をなさむとて、電話にて[[平井弁護士]]を招ぐ、平石今日は浦和にて用事ありてこれより停車場に赴かむとする処なりとの事に、明日を待ちて面談せむことを約す、余窃に思ふに、この度無産党員のわが家に来襲せしは過般[[改造社]][[春陽堂]]両店より受取りたる[[一円本]]印税巨額に達したるを探知し、脅迫して之を強奪せむと欲するものなるべし、事件は猶甚しく切迫せざるを以て未警察署には訴出でざるなり、縦へ訴出づるも今日は警察署は果して能く此等不逞結社の暴行を制圧すべき力あるや否や疑なきを得ず、震災後わが現代の社会を見るに其の表面のみ纔に小康を保つに過ぎず、政府の威信は政党政治のために全く地に堕ち、公明正大の言論は曾て行はれたることなく暴行常に勝利を博するなり、当今の世は幕府瓦解の時代と殆ど異ることなきが如し、乱世に在つて身を全くするは名心を棄て跡を晦ますより外に道なし、戊辰の変に当り鴻儒息軒先生は市中を捨てゝ郊外の農家にかくれ、[[成嶌柳北]]は未[[帰商]](=士族が商人になること)の許を幕府より得ること能はざりし時毎夜本邸に帰らず巧に其の所在をくらましたり、余の如きは一介の戯作者に過ぎずその身分その地位前賢と比較すべきものにあらざるや言ふを俟たず、然るにたまたま売文の資を得るや兇悪なる結社の党人日々来つて之を奪ひ去らんとす、世道人心の敗頽は幕府衰亡の際より更に一層甚しきものありと謂ふべきなり、余は既にこの度の事起ざる以前より世の有様を見て文筆を棄てむと決心し居れるなり、幸に[[お歌]]三番町に引移り待合を開店せむとす、これ余が隠家には最適したる処なるべし、[[晡時]]家を出で[[お歌]]を訪ふ、夕餉の膳に近鄰の仕出屋山本といふ家より[[烏賊と独活の甘煮]][[鮪のぬた]]を取寄す、山の手の物としてはその味賞すべし、十一時家に帰る、雨歇みしかど空猶墨の如し、[[*>摘々録断腸亭日乗から]]
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