&aname(d19320211){二月十一日}; 雪もよひの空暗く風寒し、早朝より花火の響きこえ、ラデオの唱歌騒然たるは[[紀元節]]なればなるべし。〔以下十二行半抹消、二行半切取。以下行間補〕去秋[[満洲事変]]起りてより世間の風潮再び軍国主義の臭味を帯ぶること益々甚しくなれるが如し道路の言を聞くに去秋満蒙事件世界の問題となりし時東京朝日新聞社の報道に関して先鞭を『日々新聞』につけられしを憤り営業上の対抗策として軍国主義の鼓吹には甚冷淡なる態度を示しゐたりし処陸軍省にては大に之を悪み全国在郷軍人に命じて『朝日新聞』の購読を禁止し又資本家と相謀り暗に同社の財源をおびやかしたり之がため同社は陸軍部内の有力者を星ヶ丘の旗亭に招飲して謝罪をなし出征軍人慰問義捐金として金拾万円を寄附し翌日より記事を一変して軍閥謳歌をなすに至りし事ありしと云この事若し真なりとせば言論の自由は存在せざるなり且又陸軍省の行動は正に脅嚇取材の罪を犯すものと謂ふ可し[[*>摘々録断腸亭日乗から]]

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