&aname(d19260705){七月五日。}l東南の風烈しく雲散じて雨歇む。午後杖履(ぢやうり)逍遥。九段を過ぐ。いつの頃より工事を起したるにや、阪道一帯の傾斜を緩かにせんとて、偕行社燈明台の辺より馬場の入口へかけて、数丈あまりも地面を掘り下げたり。経費は夥しきものなるべし。電車の未開通せざりし頃、この阪の麓には立ン坊とて車の後押しをなして銭を乞ふ者あり。小林清親が描ける名所絵に『雨中九段燈明台』の図あり。当時の光景今は唯この図によりて知るを得るのみ。[[*>摘々録断腸亭日乗から]]

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