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&aname(d19331025){十月廿五日。};小春の好き日なり。終日困臥為す事なし。燈刻起出でゝ顔を洗ひ、晩飯を食せむとて銀座に徃く。久振にて二丁目オリンピクに入る。半年前の雑遝に比すれば頗落莫の感あり。食後いつもの如く喫茶店きゆうぺるに抵(いた)る。山田歌川の二子在り。二子に就いて近年流行する俗謡の盛衰を問ふ。大に益を得たり。生田葵山子来り一老人を紹介す。月刊雑誌銀座の主筆西村酔香氏なり。銀座を題となす俳句又は雑文を需めらる。喫茶店の主人{道明氏}所蔵の諸家短冊折帖を示さる。披見るに子規竹冷漱石小波諸老の墨蹟あり。十一時頃葵山子去り高橋{邦太}杉本の二子来る。十二時閉店の時を待ち、諸子と共に芝口の佃茂に徃く。サロンハルの三女{すみ鈴ゆたか}は既に来りて二階にゐたり。笑語尽きず。この夜もまた二時となる。疲労甚し。
> 流行唄の盛衰
> 昭和三四年 君恋し~
昭和四年 東京行進曲~
上陸第一歩~
麗人の歌~
道頓堀よ~
昭和五年詳ならず~
昭和六年 銀座の柳〔朱書〕四月頃から流行~
大磯心中~
酒は涙か~
影をしたひて~
昭和七年中最流行のもの~
岡を越えて スキーの唄~
涙の渡鳥~
大東京行進曲~
昭和八年 島のむすめ 〔朱書〕正月より~
踊子の唄~
ほんとにさうなら〔朱書〕五月頃より~
丸ノ内音頭〔朱書〕七月頃より~
東京音頭~
蓄音機売店には流行唄及民謡に関する出版物数多あり。又『婦人公論』某号の附録もあり。いづれも作家の名並に歌詞を載すと云ふ。[[*>摘々録断腸亭日乗から]]
蓄音機売店には流行唄及民謡に関する出版物数多あり。又『婦人公論』某号の附録もあり。いづれも作家の名並に歌詞を載すと云ふ。
>〔昭和七年の欄外朱書〕玩具ヨウヨウ流行
>〔昭和八年の欄外朱書〕暮春ノ頃ヨリコリントゲーム(=パチンコ)流行
>〔昭和八年の欄外朱書〕暮春ノ頃ヨリコリントゲーム(=パチンコ)流行[[*>摘々録断腸亭日乗から]]