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田村和紀夫先生の本を読もう!

これ、昔書いてそのまま「下書き」になってた。その後、さらにいくつか読んだんですが、とにかくこの先生はすばらしいので読みましょう。

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図書館で音楽の本をパラパラ見てたら、田村和紀夫先生という方がいらっしゃることを知りました。このひとすごいわ。

このブログでは調性がどうのこうのリズムがどうのこうのって話をしていましたが、この先生は音楽史とかのなかでそういうのがどういうふうになっているかわかりやすく説明してくれてます。こんなブログ読んでるより先生の本読んだほうがいいです。

とりあえず2冊読んでみました。

名曲に何を聴くか―音楽理解のための分析的アプローチ 新音楽鑑賞法
田村 和紀夫
音楽之友社
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どっちもモーツァルトやベートーヴェンの苦悩がどうのこうの、って話じゃなくて純粋に音楽としてどういう部分を聞くと楽しいのか、理解が深まるのかってのを説明してくれてます。

ただし楽譜読めないとちょっとつらいかもしれません。でも雰囲気だけはわかるんじゃないかな。この方がDVDとかネットとかで音楽解説してくれたらいいのにね。きぼん。

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このあとも『ビートルズ音楽論』読んだんですが、これはすばらしいビートルズの音楽論です。ポップ音楽好きな人や作ってる人は絶対に読みましょう。特にコード進行と歌詞の関係とかの分析がすばらしい。

ビートルズ音楽論―音楽学的視点から
田村 和紀夫
東京書籍
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買い物

久しぶりに十字屋。ダダリオのギター弦(.10~)、 同じくベース弦(.45~)、ピック数枚*1、弦巻き器、カナレのシールド5mなどを入手。

ギターがうまくなる理由 ヘタな理由 (CD付) (ギター・マガジン)

ギターがうまくなる理由 ヘタな理由 (CD付) (ギター・マガジン)

これ読んでミュートその他研究しよう。
楽器の教則本って、ここ10年ぐらいですごく進歩したよね。若い人がうらやましい。

ギターの弦はDr. Shiegel
http://www.ne.jp/asahi/chelseas/terrace/pe/workshop/sit2.html
にしたがって張ってみたけど、どうなんだろう?
ちょっと巻きが少なすぎる結果になってしまった。これが正しいのかな。
よくわからん。

ベース弦も張りかえる。いままではフラットワウンドの太いやつだけど
弾きこなせないので一番ふつうの弦にしてみる。ラウンドワウンドは
手触りが嫌い。でもスラップでもとりあず音鳴るなあ。もっと細くても
よいのかもしれない。弦高が高すぎる。12フレットで4mm近くある。
ネックが若干反っているのかもしれない。
私のベースでは調整する手段はない、みたい。よしや楽器に相談するべきか。

フラットワウンドのベースの弦はまだ使えるような気がするが、
とっておくもんなのかなあ。

*1:FenderのオニギリのMediumがなかった。前はティアドロップ使ってたけど、思うところあって今年はオニギリ。


『その音楽の作者とは誰か』

著作権まわりとか興味があって買ったのだが、難しくて私の頭ではほとんど理解できない。学者というのはむずかしいことを考えるものだ。(博士論文らしいから一般人向けじゃないのだな)

ポピュラー音楽において一つの「作品」であるとはどういうことかってのはおもしろい問題だと思うのだが、けっきょくどういうものが「作品」であるのかがわからなかった。タイプとかトークンとかインスタンスとかメガタイプとか、あるいはバルトやフーコーの議論とか、この本の難しい議論が、なにを作品とみなすかってことについてなにか理解を深めてくれるようなものなのだろうか。

私自身はポピュラー音楽で、楽譜に記譜されるようなもの(コード進行、リフ、リズムパターン、メロディーの断片など)は単なる「アイディア」でしかなくて、「表現」ってのは実際の演奏やレコードに固定された音源そのもの、歌詞カードに固定された歌詞ていどしかないんじゃないかと思うのだが、そういう浅薄な理解ではだめなんだろう。

 

ところでそもそも、こういう研究は従来の書物っていうメディアではうまくいかないような気がするな。実音がないと迫力がない。このひとは楽曲を~~といじった、とかって記述を何十行も読んでもさっぱりおもしろくない。いっそ、CDやDVDで出版したらどうか。あるいはネット使うか。


『音楽未来形』

音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ

音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ

 

音源掲示板やパクリ曲作成などいろいろ関係があって、著作権の問題には当然興味がある。(いつ逮捕されたり告訴されたりするかわからんので切実)だからこういうものを読んでお勉強してみたり。メモ残しておく。批評とか書評とかではない。

 

  • 「たとえば、マイナー・ペンタトニック(音階)やCオーギュメント
    13th(コード)やワルツ(リズム)は、誰かが生み出した音楽的素材であろう」
    (p. 247)
    →「Cオーギュメント13th」はかっこ悪いなあ。こういう記述を見ると萎える。「Cドミナント7thフラット13th」
    ぐらいにしといた方がいいのに。
  • 「楽音レイヤー」と「サウンドレイヤー」って言葉使いが区別しにくくて
    誤解をまねきそうだ。著作権がつくのは「記譜」されるようなものなのだから、
    「記譜レイヤー」と「楽音レイヤー」じゃないのかなあ。
  • 書物の場合は著作権で保護されるのは「表現」であり「アイディア」では
    ない。音楽の場合、メロディーの断片、歌詞の一部、コード進行、リズム感、
    構成、音色などが「表現」なのか「アイディア」なのかがよくわからんのが
    問題だということを指摘してほしかった。
    わたしはそういうのは「アイディア」ととらえたい。いや、無理かな。少なくとも
    サンプリングは書物でいう「引用」にあたると思うのだが、現状ではぜんぶ保護しちゃうから問題。
  • 「楽音のレベルに著作物の「原型」を見て取ることは、メディアの水準で楽譜が
    作品の「起源」とされることと並行している。・・・その名残りが著作権制度に反映されている。」(p.241) 正しい。っていうか最初から音楽と出版物を同じ法規で扱おうとしたのが失敗というか。
  • 「楽音とサウンドのレベルは、耳で聴くことのできる現象のレベルであって、
    その現象を実際に担保しているのは、耳に聴こえないデジタル・データである。」(p.241)
    デジタルは関係ないんじゃないかな。
  • 「楽譜の水準に音楽の原型が存在すると見なす著作権の音楽観は実情とそ
    ぐわなくなっている。」(p.241)その通り。しかしそもそも著作隣接権が設定
    された時点で実情とそぐわなくなったんじゃないかなあ。ジャズミュージシャ
    ンはずっとそういう問題をかかえていたはずだ。
  • p. 248。サンプリング作品では「演奏者」が「作者」にカウントされるこ
    とがないという指摘は重要。実際サンプルするのはたとえばジミーペイジの楽
    曲ではなくてジョン・ボーナムのバスドラをエンジニアが録音した振動なわけ
    だからね。ジョンボーナムやエンジニアに金をはらってもいいが、ジミー・ペ
    イジにまで払う必要があるかどうか。ジャボ・スタークスに払ってもいいがジェームズブラ
    ウンにも払わなきゃだめか。だから現状の著作権制度はちょっとおかしいよ、
    と結論してはくれないのだろうか。
  • 「デジタル・コピー問題とは、「文化の危機」なのではなく、「文化産業
    の危機」なのだ」はその通りだと思うのだが、創作したり演奏したりする「自
    由」の問題をもっとはっきりさせてほしかったような気がする。まあ「世間で
    よく言われているのは実は経済の問題にすぎないんだよ」と主張することによっ
    てそのうらがえしで「独創性」と自由の問題を扱っているわけか。独創性の問
    題さえ疑ってみてもいいと思うんだが、どうなんだろうか。
  • わたしのように楽曲をコピーしたりカバーしたりネトラジで遊んだりしている
    アマチュアにとっては、むしろ著作隣接権や同一性保持権の方が問題だったり。
  • 「大地讃頌」事件はもうちょっとつっこんでほしかったな。筆者の立場が明確でない。
  • ジャック・アタリの話とか、どうなんだろうか。「現代思想」とか好きな
    ひとはこういう議論が好きなんだろうが、おおげさでグリップがないような気
    がするけどなあ。まあ趣味の問題か。
  • たとえば、「音楽はまず、神話的な社会秩序を維持するため、神に捧げら
    れる犠牲として生じた」とか。うそくさい。普遍性もないだろうし。こういう
    を簡単に援用しちゃうのはいかがなものか。「供犠」→「演奏」→「反復」→
    「作曲」の「レゾー」なんて、話としてはおもしろいのかもしれないけど、ただの
    お話じゃないのかなあ。
    現代思想とかってのの悪い側面が出ているような気が
    する。
  • 大昔からワシらムージさんは自分の好きなように楽曲をかなでてきたし、
    真似したり個人用テープをやりとりしてきたりしてきたのじゃ。
    それがむしろテクノロジーで管理されつるある方が問題だ、っていう
    レッシグの問題意識の方がわたしはみぢかだな。
  • ベトベンが市民社会で演奏会と楽譜売上で生きていこうとしてなかば成功
    したこと、レコードが商品として流通しはじめたことは大きな出来事だったろ
    うけど。でもそれに比べて、DJカルチャーというかサンプリングは本当に新し
    い問題なんだろうか?どう新しい問題なんだろうか?ちょっと考えてみよう。
  • けっきょくデジタルコピーの問題はiTunesMusicStoreのような形のものがちゃんと機能するようになれば
    うまく回るようになる気がする。私が関心があるのは演奏や創作にかかわるもっと違う問題だ。