タグ別アーカイブ: 性科学

Ratus先生たちのHuman Sexuality

というわけでまあおすすめのRathus, Nevid & Fichner-Rathus先生たちのHuman Sexualityの「ジェンダー役割」の項目も訳出してみました。他にも妊娠のメカニズムとか人々はどんなのに興奮するかとか、おすすめの体位とか各種テクニックとか、ポルノやら性暴力を避ける方法やら事後対策やら、なにからなにまで書いてて素敵なんですがね。2、30人人集めて翻訳して出版したいなあ。価値があると思うんだけどね。

これは第6版のやつなので、最新第9版では参照する文献とか含めてぜんぜん違う文章になっているのではないかと予想。第8版は図書館入れてもらったつもりだけどチェックしてない。まあ第9版をamazonで私費で注文したからどんなになってるか楽しみでもある。

Human Sexuality in a World of Diversity
Spencer A. Rathus Jeffrey S. Nevid Lois Fichner-Rathus
Pearson
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前に紹介したボストン女の健康の本集団のOur Bodies, Ourselvesは松香堂から1988年に出たやつを入手してみました。『からだ・私たち自身』ってやつ。出てるのは知ってたけど放っておいたんよね。

定価5000円。藤枝澪子先生が監修、校閲を河野美代子先生と荻野美穂先生がやってて、訳者は「翻訳グループ」が23人、「編集グループ」が25人。すごい大きな仕事だ。偉い。まあこれくらい人数集めないとできないわよね。当時のフェミニズムに勢いがあって、みんな真面目だったのがわかる。これから25年四半世紀も経過してるんだからフェミニストグループが同じようなことやるってのもありそうなんだけどね。あちこちから研究助成みたいなのもでてるだろうし組織もしっかりしてきたし。まあ私がやるべき仕事ではない気もしてきた。

からだ・私たち自身
からだ・私たち自身

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ボストン女の健康の本集団 『からだ・私たち自身』日本語版編集グループ
松香堂書店
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セックスの哲学と私: ポストモダン攻撃して私はなにをしたいのか

まあどこまで書いたか忘れちゃったけど、2005年ぐらいからネットではポストモダンフェミニムみたいなのを延々攻撃してるんですわ。

昔のブログでやったジュディス・バトラー攻撃はhttp://d.hatena.ne.jp/kallikles/20111010 あたりから。他にもイダヒロユキ先生とか角田由紀子先生とか、江原由美子先生とかジェンダーとかフェミニズムとかにかかわっている人をやりだまにあげてなんかいろいろ書いてる。他にもtwitterはじめてからも延々へんだと思ったフェミニズムとか延々攻撃しております。

最近も「あいつはいったい何がしたいのかわからん」みたいにディスられてしまいましたが、まあフェミニズムの問題意識みたいなのは大事だと思ってんのよね。でもなんかちゃんと勉強しない人々が、聞きかじりの勝手な知識で勝手なことを言ってるような気がして非常に不満。おもしろい「セックスの哲学」やる前に、なんか国内にはびこってるのものをきれいにしとかないとやりにくくてしょうがない。

ポストモダン攻撃してみたのは、まあそういう学問もどきを駆逐するためでもあるし、そういうものになにか本気で検討するべきなにかがあるのかを確かめてみる作業でもあるわけです。10年近くそういうものを読み、7、8年攻撃してみてわかったのは、なんの価値もない、ということでしたわ。もしなんかあったらやさしく教えてください。

まあセクシャリティやジェンダーみたいな基本的な概念さえ、日本の主流派フェミニズム(つまり、上野千鶴子先生や江原由美子先生のライン)ではちゃんとされてないんじゃないすかね。「セックスはつねにすでにジェンダーなのだ」とか意味不明か自明すぎてコメントする必要もないかどっちか。そんなもんがはびこってるところでは、まともなセックスやジェンダーの話なんかできないもんね。

そもそも国内ではまともな性科学の教科書すらない。LGBTとかネットではあんなにがんばってるのに、学部生に読ませるべきしっかりした本さえないってのはどうなんだろう。

前にも書いてますが、私がおすすめしているのは Rathus先生たちの Human Sexuality。国内の大学図書館ではほとんど入ってないじゃんね。

昔、70年代初頭に秋山洋子先生たちのグループが、Our Body, Ourselvesってフェミニスト的性科学のを『女のからだ―性と愛の真実 』(1974)って本に訳出したんよね。女性がいま性的な知識をもっていて、女性が満足できるセックスを、オーガスムを追求しましょう、オナニーは当然します、ピル飲みましょう、みたいなことを言ってられるのも秋山先生やその他の先生たちのそういう地道な仕事があっての話なんでね。私はそういう地道な人々が好きです。今どきの人々はちゃんと資料も調べず、勝手な思いこみで勝手なことを言ってる人が多いんじゃないですかね。政府でさえおかしな調査しておかしなこと言ってんだから。ははは。大学関係でそういうのに関心ある人間は、ちゃんとアカデミックな健全さを保証するように仕事しないんじゃならないのではないか、と思っているわけです。その一環がポストモダン攻撃であり、まあこういうブログ書いたりすることであったりするわけです。まあ論文や書籍書くべきなんだけど、そういうの苦手で。すみません。でもまあ人はそれぞれ向き不向きがあるし。

「ジェンダーアイデンティティ」の項もざっと訳してみました。
https://docs.google.com/document/d/1tQZVSK3X8Znb2p_iiAszG1xfBAvV-ZZp7Rm5tdnd8yg/edit
こんな基礎的な知識さえ、国内では共有されてないじゃん? あとジェンダーロールのところぐらいを訳して、出版社探してみたりするかなあ。でもお医者仲間にしないと出版は難しそうな気がする。

Human Sexuality in a World of Diversity
Spencer A. Rathus Jeffrey S. Nevid Lois Fichner-Rathus
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女のからだ―性と愛の真実
ボストン女の健康の本集団
合同出版
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コメントいただいたいように、この本は1980年代後半にも訳し直されてます(原書もアップデートされてます)。

からだ・私たち自身
からだ・私たち自身

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ボストン女の健康の本集団 『からだ・私たち自身』日本語版編集グループ
松香堂書店
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最新版はKindleで安く手に入ります。

Our Bodies, Ourselves
Our Bodies, Ourselves

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Touchstone (2011-10-04)


性科学を勉強しよう

セックスの話をするときは、当然人間としての事実がどうなってるのかを知る必要があるわけです。まあ他の人がどういうことをしたりどういうこと考えたりしているかってなかなか知れないもんですしね。ここらへんはやっぱり生物学者や医学者や心理学者や社会学者のやってることを勉強しないとどうしようもない。まあいろいろ知ってる人は別として、哲学者っていうのは自分の経験以外はなにももってないので人に聞くしかないし、自分のもってる経験も哲学者の場合は非常に貧弱なことが多いようですなあ。

国内のネットでセクマイの話とか一部ではもりあがってるけど、どれくらいの人々が同性愛的な活動をしているかの見積りぐらい出してほしいですよね。あと売買春にかかわってる人はどれくらいかとかさ。ポルノはどれくらいの人が見てるのか(あるいは見てない人がいるのか)とか。ふつうの人は週何回セックスするんだろう、とか。まあいろいろ知りたいことはあるわけです。いや、むしろ知りたくない気もする。まああれだ。

でも国内ではいい本あんまりないんですよね。

女医が教える 本当に気持ちのいいセックス
宋 美玄
ブックマン社
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『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』とかすごい売れたらしいですが、まあこれはセックスハウツー本なので実際にはどうしているのかわかならない。ははは。

おそらく性教育のテキストとしては『セクソロジーノート』っていうのが最強でしょうが、まあふつうというかなんというか。

最新版 セクソロジー・ノート―性…もっとやさしくもっとたしかに…
村瀬 幸浩
十月舎
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NHKの調査はなんかヌルいし。

データブック NHK日本人の性行動・性意識
日本放送出版協会
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しかし性科学はけっこうおもしろい分野なので、ちゃんとした大学の教科書もいっぱいあるのです。ずっと前から宣伝しているのがRathus先生たちのやつで、興味のある人が多い男性・女性セックスも、男性男性も女性女性もいろんなテクニックも結婚も離婚も妊娠も性暴力もポルノももうセックスに関することはなんでも書いてあるです。こういうので勉強した米国の大学生はどうなるんすかね。

Human Sexuality in a World of Diversity
Spencer A. Rathus Jeffrey S. Nevid Lois Fichner-Rathus
Pearson

新しい版が出るみたい。これ教科書で、虎の巻(章末の問題の答やレポートの書き方とか書いてある)みたいなのもいっしょに出てるので注意してください。私ひどいめにあったことがある。

ちょっとだけ部分的に訳してみたところがありますのでどうぞ。ここともうひとつGender Identityのところの一部を訳出して紹介したいんですがね。

なんかこういうちゃんとした調査しないでセックスについて語ってもピントぼやけたり、自分のセックス語りになっちゃったりしてあれですからね。ははは。