売買春」タグアーカイブ

セックス産業を見る「多型パラダイム」への補遺・コメント

前のエントリ https://yonosuke.net/eguchi/archives/13333 の続き。

あとワイツァー先生によれば、売買春の実証的調査とかでも、注目浴びやすいものと無視されがちがものがある。売買春を調査するんだ!ってな話になると、

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ワイツァー先生のセックス産業を見る「抑圧パラダイム」と「多型パラダイム」

まあ森田成也先生の本読みながらいろいろ考えてしまったんですが、少しワイツァー先生の紹介したい。この先生はアメリカの犯罪学者で特に売買春とかトラフィッキングとかの専門家です。先生はとにかく実証的なのが好きでちゃんと調査する人なんですね。売春、というかセックスワークについても翻訳がある。これはよい本なのでそういう問題に関心のある人はぜひ読んでみてください。

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セックス経済論 (7) セックスに対する態度の性差、特にポルノと売買春

  • Baumeister, R. F., & Vohs, K. D. (2004). Sexual Economics: Sex as Female Resource for Social Exchange in Heterosexual Interactions: Personality and Social Psychology Review, 8(4), 339–363.

セックスに対する態度の性差

セックスを商品とした男女の交易、っていう観点からすると、男女の間にはセックスに対する態度の差があるはずだ。まあこれもほとんど自明というか常識なわけですが、バウ先生たちはあれやこれや態度の差をあげていきます。セックスの値段が安いと男性が得、高くなると女性が得なので、それぞれそういう態度をとっているだろう、っていうのが理論からの予測になります。んでそういう証拠はたくさんある。

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牟田先生たちの科研費報告書を読もう(8) 牟田論文誤読のおわび

去年の今ごろ牟田科研費についてシリーズ書いてしまって、なぜか最近になってはてなブログなどで有名な法華狼先生からお叱りを受けているのですが、実際わたし牟田先生の論文をまったく誤読してました。ほんとにお恥かしいのでどう誤読してたのか書いて反省します。 続きを読む

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売買春の実態調査は難しい (6) 補遺

各国の売買春事情についてのProConはちょっと信頼できないなあ、みたいなことを書いたんですが、その後、ProConが根拠にしている The Continuum Complete International Encyclopedia of Sexuality: Updated, With More Countries (2003)ってのをちょっとめくってみました。 続きを読む

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売買春の実態調査は難しい (4) ワイツァー先生たち

売買春の実態調査は難しい (3) の続き)
んで、他の国はどうなってますか、ってわけで、これはネットみてもノイズが多くてしょうがないので、まともな情報を探して本を見るのがいいですね。Ronald Weitzer (ed.) (2000) Sex for Sale、ってのをぱらぱらめくってみると。 続きを読む

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売買春の実態調査は難しい (3) ProConは信頼できない

売買春の実態調査は難しい (2) から続き)
んで、問題の国際比較なんですが、これほんとに難しくて、ほとんど無理っぽいですわね。北原先生は「米1992年0.2% 英1990年0.6% 仏1992年1.1%に比べ、ニッポンぶっちぎりの買春大国であることが、指摘されてます」って言うわけだけど、このもとの2000年の厚生省の調査がどういう典拠にもとづいて米0.2%とか英0.6%とかって数字出してるのかよくわからん。これから調査します。 続きを読む

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売買春の実態調査は難しい (2) ヌエックの調査

売買春の実態調査は難しい (1) の続き)

ちょっとgoogle様にお伺いをたてて、まともな調査をさがしているのですが、こここらへんんはどうだろう。国立女性教育会館(ヌエック)の2007年の調査を2011年に再利用(?)したもの。 続きを読む

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売買春の実態調査は難しい (1) 坂爪先生と北原先生

北原みのり先生という有名なフェミニストの先生が、セックス産業に関する注目の若手(?)坂爪真吾先生の著書の一部を批判していて、ちと興味を持ちました。売買春の女性の側の調査は90年代からそこそこあるんですが、男性の側のはあんまり見ないんよね。今のところ、少なくとも国内については数さえよくわからない、っていう状態。 続きを読む

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ラッセル先生のセックス哲学(2) 女性の性を解放するのじゃ

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実は若いときはけっこうイケてる。 コメディアンのようでもある。

まあラッセル先生はそうしたキリスト教、特にプロテスタント的な性的禁欲を捨てちゃおうってわけです。でもラッセル先生は売買春とかには大反対。前のエントリでも書いたと思うけど、19世紀〜20世紀のイギリスとかって、表はヴィクトリア朝的な禁欲的な雰囲気でセックスの話なんてジェントルメンやレディーズはしないわけですが、ジェントルメンも夜になるとへんなところで下層の女性を安くあれしていた。中上流の女性は岩よりも堅い貞操を求められてた。そしてそれはみんなで守らねばならぬ。 続きを読む

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杉田聡先生の考えるあるべきセックスの姿

国内で売買春やポルノグラフィを猛烈に批判している人の一人に、杉田聡先生がいます。

杉田先生によれば、本来セックスは双方が「自発的な意思」によって「自主的に興奮」し、双方が「性的快楽」を味わうことができなければならない。売買春は一方だけが性的興奮や性的快楽を得るものなので不道徳だ、それはもはやセックスではなく性暴力と等しい、と言いたいようです。セックスに金銭をはさむな、そんなのはセックスではないと。
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