図書館をつくる

私の考えでは、大学教員の大事な職務の一つに「図書館を作る」という仕事があります。

大学図書館というのは非常に重要な場所で、予算も大学全体の予算のなかでもけっこうな割合担っているはずですし、「図書館長」は以前は大学学長につぐ「大学ナンバーツー」だった時代があるようですね(いまはどうか知らないけどやっぱり偉いと思う)。

まあ大学教員は、「熱心な学生様にはぜひここらへんも勉強してもらいたいなあ」みたいに思って授業の資料を一生懸命作って「参考図書」とか一生懸命のっけてるわけですが、その図書がちゃんと図書館に入ってない、みたいなことは多いんですわ。これはいかん。やっぱり「参考にしてね」っていった本はできるかぎり図書館に入れておきたいものです。まあ専門的な外国語文献まで入れておく必要があるのかは大学の性格によって微妙だけど、おすすめの日本語の本はばんばん入れておきたいですね。

どの大学でも「講義関連図書」とかの予算はあるはずで、授業で参照したらばんばん図書館にリクエストしたい。他にも「教職員希望図書」みたいな制度もあるはずだし、常勤だけでなく非常勤の先生も使えるはずです。

公共の図書館の職員や司書さんたちというのはいったいどういう本をいれればいいのかわからないんじゃないかと思います。教員の方が、少なくとも自分の専門に近いところではどの本が良い本で学生様などにおすすめできるのか知っているわけだから、積極的に図書館作りたいものですね。

もちろんいちいちOPACでチェックしたり書類書いたりするのはけっこう手間もかかるものなので、非常勤とかで行ってるだけの大学の図書館にどのていど手間かけるのはっていうのはあれですが、少なくとも専任の人はちゃんと図書館に気を使うべきだと思います。

図書館の本はコピーをとるのじゃ

  • 図書館の本に鉛筆で傍線引いたりページを折ったりするのは反則です。やめなさい。
  • さっと見て、大事そうなところはコピーを取るのじゃよ。それに書き込むのじゃ。
  • まああんまりコピー大量にとるとお金がかかってしまうので、大事なとこだけね。
  • コピーとるときは出典書きこんでおくのを忘れずに。本の最後のページにある
    奥付をつねにいっしょにコピーする癖をつけておくとよい。
  • コピーとったらちゃんとホチキスで留めておくのじゃよ。
  • 昔の人はノートに抜き書きしたりしてました。勉強になります。
  • 最悪、勉強ノートにキーワードと大事なページ番号だけでも書いておくのです。
  • 東鴨川女子大学にコピー機が少ないのは、学生がコピーしないからじゃないかなあ。それじゃだめです。勉強はお金がかかるのです。

図書館を利己的に利用する

たいていの私立大学では、学生は年間100万円近くかそれ以上の授業料を払うわけですが、実際に授業にかかる金額はそれほど多くありません。教員や職員の人件費は収入のほぼ半分くらいでしかありません。

んじゃ入学金は授業料は何に使われているのかというと、他のさざまな設備に使われているわけですね。なかでも図書館は非常に重要です。

購入希望を出す

読みたい本があったら、学生購入希望を出しましょう。一般に図書館というところは、どういう本を買って所蔵すればよいのか迷っているものです。読みたい本、高くて手が出ない本があったらどんどん購入希望を出しましょう。著者名、出版社を調べておきましょう。書類はリファレンスカウンターにあります。「購入希望理由」が問題ですが、「卒論研究のため」と買いておけばまちがいがありません。

ビデオやCDもある

図書館には映画のビデオや音楽や落語のCDもあります。利用しない手はありま
せん。本館に並んでいるものの他に、分館や音楽棟の事務室にもあります。

雑誌や新聞は雑誌室で

意外に軽い雑誌とかも雑誌室には入れられてます。毎月読みたい雑誌があるな
ら、適当に理由をでっちあげて申請しましょう。

図書館では喋るな!

しかし図書館では非常に重要なルールが一つあります。

それは 「図書館では喋るな!」 。 図書館は孤独な人びとが連帯する神聖な場所なのです。

某衣笠大学の図書館を訪ずれたときに、馬鹿カップルがいっしょに「勉強」していちゃいちゃしていて殴ってやろうかと思いました。

おしゃべりしたくなるなら図書館は友達と行くな!

現代社会学部生のための文献調査ガイド

文献を集めよう

卒論レベルでも、研究の基本は文献を読むことです。どういう先行研究があるのか知っていなければなにを研究するかの方針さえ立てられません。

まずまずこれを読んでください。 http://www.kyoto-wu.ac.jp/library/j_guide/index.htm

図書

図書館にある本は OPACで調べます。

http://www.amazon.co.jp/ も役に立ちます。自分では買えない本は、図書館に「購入希望」を出しましょう

新書、ムック

新書は最新の知識をコンパクトに紹介してくれているので、大学生の友です。積極的にどんどん読むこと。ただし、一部質の低いものもまじっていますので注意。

私見では、中公新書と昔の岩波新書がもっとも権威があり、講談社学術新書やちくま新書がそれにつぎます。

入門書・概説書

どういう問題を扱うにせよ、とりあえず自分なりの分析のツールを手に入れておかねばなりません。現代社会学部の卒論の場合、多くの人は社会学的な分析を行なうことになるでしょう。最低限社会学の概説書(ギデンズの『社会学』など)には目を通しておきたい。

百科事典のたぐい

現代社会学部学生の場合は現代社会に特有な現象をテーマにすることが多いでしょうから、とりあえずどんなことが議論されているのかを知る必要があります。『現代用語の基礎知識』『知恵蔵』『イミダス』のたぐいは一回ひいておきましょう。図書館にあります。

最近では WikiPedia も非常によい記事を含んでいます。日本語のを引いたら左の方から “English” を選んで英語のも見る癖をつけておくととてもよいです。分野によっては質の高さが段違いだったりします。

専門事典

社会学事典、心理学事典など学問分野に特化した事典が図書館にあるので見ます。そこで参照されている文献をメモしておくこと。

単行本

人気のあるテーマの場合は一般向けの書籍も手に入ります。 OPACで調べてみて、図書館の開架でその近くにある本にも目を通してみること。

編集された本の一章が役に立つ場合も多いので、幅広く本を見ること。

専門書・研究書

単なる読みものとの違いは巻末の文献リストを見ればわかります。文献リストが4、5ページになるような本が読めるようになればあなたも大学生らしい「研究」ができるようになりつつあります。

雑誌論文

実は図書より重要なのが雑誌論文です。

たとえば哲学だと岩波の『思想』とかが一番偉い、ってことになってるようです。あと『現代思想』とか(私は難しくて読めないことが多い)、いろいろあります。

でも卒論レベルで参考になるのは、各大学が出している紀要に載っている論文です。http://www.kyoto-wu.ac.jp/library/news/library_news.htm#shiryoあたりから調べます。特に CiNii が重要。図書館にない雑誌は、ILL (図書館間相互利用)から注文します。(お金がかかります。コピー1枚30円くらい。図書館地下の雑誌室のカウンターに問いあわせてください。)江口が関心を持つような論文なら一部研究費から援助します。

書籍・論文の参考文献

まともな論文には参考文献リストがついています。もちろんそれに全部当たるわけにはいかないのですが、

文献リストを作る

すでに読んだ本、これから読むべき本はリストにしておきます。この文献リストが増えていくのが研究者の喜びの一つです。

いろんな方法がありますが、江口はhttp://yonosuke.net/eguchi/memo/bibtex-exsample.txt のようなものを使っています。これはLaTeXのbibファイルというものです。学部生のときは「メモ帳」かWORDかなんかに書いておけばよいでしょう。

大学生の図書館活用法

(大学の図書館報『Library News』 2009に掲載したものです)

大学生と高校生との一番大きな違いは、なんといっても自由な空き時間があることです。授業がない時間帯もあります。高校生までのようにいつもクラス単位で動いているわけではないので、友達がいっしょにいないひとりぼっちの時間もけっこうあります。大学生になると特に決まった教室があるわけではないので、どこにいればよいのかわからないといったこともあるかもしれません。

そんな予定のない時はどこに行けばよいのでしょうか?私は大学から大学院にかけてずいぶん長い時間大学で生活していたのですが、ヒマな時間はいつも図書館で過しました。大学講師として授業をする側にまわってからも、行く先々の大学の図書館で調べものをしたり時間を調整したりしています。私の個人的な経験からの図書館の使い方を紹介してみます。

場所を確認

まず図書館の場所を確認しましょう。京女の図書館はE校舎の本館とJ校舎地下の分館の二つに分かれています。分館の方がイスと机が広々していて快適かもしれませんね。なんとなくお気にいりの机やイスを見つけておくと、図書館にいるのが快適になります。

さて、本が並んでいる開架書架をゆっくり一周して、だいたいどこにどんな本があるのかを把握しておきます。興味をひく本のまわりには同じように興味をひくことが多いです。ぱらぱらめくってみましょう。知的な興味がどんどん広がってゆくはずです。そうしているうちに大学生活の最初の1、2ヶ月かかってしまうかもしれませんね。

本館地下の雑誌室にも注意してください。下宿をはじめて、生活費節約のために新聞をとってない人もいるかもしれません。しかしそういう生活を続けると、社会の動きを何も知らない人になってしまいます。勉強のためにも就職活動のためにも新聞には必ず目を通しておくこと。京都新聞の市内面などの犯罪情報にも注意!難しい勉強関係の雑誌の他に、ファッション雑誌などあるので自分で買う必要がなくなります。

他に皆さんが直接本を眺めることのできない閉架書架や学外書庫に納められている本もあります。それらを調べるためのOPAC(オンライン蔵書検索)の使い方も利用の手引きで確認してください。

ノウハウ本と新書を活用する

さて、「図書館」「読書」というと、小説などの「文学」という印象が強い人が多いかもしれません。でも私が大学生での読書でおすすめしたいのはむしろノウハウ本です。私自身、なにか新しいことを始めるときは、とにかくそれに関係する本をざっと読むことから始めます。ダイエットでもジョギングでも盆栽でも。大学生生活をはじめるにあたっても、授業の受け方、ノートの取り方、レポートの書き方、コンパでの自己紹介の方法、などいろんなガイドブックがあります。数年後にやってくる就職活動のときに、なにもしらないで手さぐりではじめるのと、あらかじめ何冊かのノウハウ本を読んでから始めるのではずいぶん違うものです。なにかをしようと思ったら図書館で調べる、という癖をつけると、他のぼんやりしている人たちよりずっと有利に物事を進めることができるようになるのです。

しかしなにかを調べるときにどこから手をつけてよいのかわからない、どこに本があるのかわからない、オンライン検索するにしてもなにをキーワードにすればよいのかわからない、ということもあるかもしれません。そういうときは、とにかく本館4階の新書のコーナーに行ってざっとタイトルを見てみましょう。きっとピンと来る本があるはずです。

視聴覚教材、絵本、マンガ、小説

図書館は「真面目な」本以外にも映画のビデオなども収蔵しています。視聴覚資料のコーナーを見てみましょう。時間があまったらいつでも映画を楽しめるというのはすてきだと思いませんか?映画以外にもためになる資料はたくさんあります。「教養がない」とか言われないように、たとえばNHKの『映像の世紀』などを見ておくとよいでしょう。落語や音楽CDもあるますので好きな人はどうぞ。また手塚治虫の漫画もあります。名作ぞろいなので全部読んでおきましょう。『ブッダ』を読んでおけば仏教学の単位もとりやすくなるかもしれません。

カウンターの人々と仲良くしよう

他、困ったこと、知りたいことがあったら、図書館カウンターのリファレンスに質問してみましょう。本を探してくれたり、探し方をアドバイスしてくれるはずです。ただしなにも調べずに行くのはだめです。まず図書館の「利用の手引き」を熟読してしっかり質問を考えてからから行きましょう。

府立図書館、市立図書館もチェック

あと、他府県から京都に来た人は、府立図書館や市立図書館の場所もチェックしておきましょう。一般向けの軽い小説などはそっちの方が充実しているかもしれません。

ついでに図書館で絶対に守ってほしいこと

  • おしゃべりしない! 友達とは別々に行くこと。
  • 図書館の本に書き込みしちゃだめ!付箋を貼れ、コピーをとれ。
  • ページのはしっこ折っちゃだめ!
  • 新しい本はへんなクセつけないように。http://www012.upp.so-net.ne.jp/siratori/tyunen/tyu255.html 参照。