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ジャズ入門: エルヴィンジョーンズ先生の「至上の愛」を探求する(2)

前の記事、「ブレイキーのチュニジア、フレーズの流れは2-3なのにクラーベは3-2で打ってるんだよね。」っていう「はてブ」コメントもらってました。なるほど!まあ私はその程度のことがわからない程度の人間なのでそういうつもりで一つおねがいします。

んで「至上の愛」なんですけど、もう一回。

全体はAbのメジャーペンタトニック一発みたいですね。

もちろん4拍子でベースは「ラbーファシbッ」ってのくりかえしてます。4分音符と8分音符2個、と一応考えておく。
ピアノは16分音符で1拍目と2拍目の裏の裏に弾くのが基本。私の耳にはここでベースとピアノが16分音符1個分ずれてるように聞こえますね。ピアノはAbペンタから適当に4度で音拾ってる気がするけどわからん。

んで、問題のドラムがどうなっているかというとやっぱりわからんのですが、バスドラが1拍目と4拍目の裏と裏裏に入ってる。ハイハットが2拍4拍に入って、スネアとタムが1拍目の裏裏、2拍目の(裏)裏と3拍目の裏に入ってる気がします(2拍目の裏に入ることもある)。シンバルは16分音符でチキチキチキーチが基本かなあ。正直聞きとれない。

というわけで、自信ないけどこんな感じ。

んで、まあ何を発見したのかというと、これは実は昨日書いたクラーベなのですわ。バスドラとスネアのリムショットとタムタムで|タン・タン・ンタ|・タンタン・| っていうルンバクラーベができている。ルンバクラーベっていうのは昨日ビデオで見た3-2ソンクラーベと比べると3個目の音符が半拍うしろにずれてるやつ。ちょっと早くてしんどいけど「たんーたんーんた、たんたん、」って手拍子してみてもらうとわかるのではないかと思います。

ポイントは、昨日紹介したパーカーやブレイキーのラテン風リズムに比べて、エルヴィン先生のリズムは4拍子(またはハイハットの刻み)に対して倍の速さになってんですね。

ドラムは1小節のなかに3-2ルンバクラーベが入ってて、ハイハットが2拍4拍刻んでるので4拍子な感じもする。ベースも強力だし。シンバルが細かく刻んでるのですごい忙しいけど、ベースが安定しているのでゆったりした感じもする。よくわかんないけどベースとドラムの2拍目の裏が微妙にずれたりずれなかったりしているのもわからん感じです。ベースの2拍目の裏の音は3連になってるのかな?まあこれがポリリズムってやつなんですなあ。微妙にスイングした4拍子とクラーベと16分刻みが共存している。すごい。まあラテン音楽の影響受けたものはだいたいこういうふうになってるのかもしれないですが。

http://www.drummagazine.com/lessons/post/4-cool-grooves-from-4-hot-rhythm-sections/
上のページも参考にしてください。

こういうふうに採譜してます。解説の部分を訳しておきましょうか。

「至上の愛」はサックス奏者ジョン・コルトレーンが同名のアルバムに収録した歴史の転換点となる曲だぜ。ここでドラマーのエルヴィン・ジョーンは、ベーシストのジミー・ッギャリソンとすげーアイディア交換をしてんだぜ。最初の4小節(0:53から)でメインテーマが提示されてんだけど、そこじゃあんまり飾りはつけれれてない。でも、5小節目になるとエルヴィンはシンコペーション加えてブチ熱狂的になっていくぜ。ギャリソンがそのシグナルを7小節目で受けとめて、ベースラインを複雑にしてるのを見てみろよ!これがノンバーバルコミュニケーションてやつだ!あいつらはリダーにしたがってプレイしてるんだ!

このエルヴィンジョーンズ先生がちが開発した「ゆったりしているようで忙しい、忙しいようでゆったりしている」ポリリズムはもう60年代後半の音楽を決定してる気がします。

それはたとえばこういう曲にも反映されている。

まあこれはクラーベは感じないですが、シンバルとかにエルヴィン先生の影響感じますね。エイトビートと16分や2拍3連や3連とかが混在されるリズムの上での一発ドローン、とかまあロックとしては非常に独特の美しい音楽なってる。9分目ぐらいからの暴れるところかっこいいですね。まあドアーズは基本的にはコルトレーンアあたりのジャズ好きな連中が集まってロックやってるバンドなんすよね。(あれ、これファXクファXク言ってるバージョンだ。下品いかんですね。)

Break on throughとかはハードボサノバですわね。

まあそういうわけでポリリズムは偉い、ということで。

ちなみにパフュームのはポリリズムじゃなくてスリップビートですからね。……いや、4拍子と3拍子がいっしょに鳴ってるからこれもポリリズムか。失礼しまいた。


ジャズ入門: エルヴィンジョーンズ先生の「至上の愛」を探求する(1)

まあジャズという音楽様式の特徴の一つはドラムにありますわね。

今日はエルヴィン・ジョーンズ先生の復習。

まあはじめてこの「至上の愛」聞いたときはやっぱりぶっとびました。

テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムの4人しかいないのになんか猛烈に複雑な音がするです。特にドラムはなにやってるかわかりませんね。普通人間は手足あわせて4本しかないので、一度に出せる音は4つしかないわけですが猛烈に複雑。7本ぐらいある感じがしますね。

このエルヴィンジョーンズ先生の60年代中盤の音楽ってのはほんとうに世界を変えたんじゃないですかね。

まあこの曲についていろいろ調べてみたんです。まあアフリカな感じがするわけですが、これがどっから来てどんなことをしているのか探求したい。これは実は初めて聞いた中3か高1のころからの課題であったわけです。

まあジャズと(アフリカじゃなくて)ラテン(キューバ)音楽の関係ってのは本当に深くて、パーカーの時代以前からありますわね。
1940年代後半から50年代にかけてはアメリカとあそこらへんは密な関係だったんですな。

ラテンのリズムというと特にアートブレイキーが有名かなあ。50年代のも有名だけど、わかりやすい60年代はじめの方を。

こういうキューバ音楽のリズムは、基本的にクラーヴェっていう拍子のとりかたにもとづいてるんですね。2-3と3-2がある。説明しにくいのでビデオで。
キューバ音楽では、この2-3や3-2のリズムを感じながら全体の音楽が進むわけです。

これはソン・クラーベってやつ。前のパーカーのは2-3クラーヴェ、あとのブレイキーのは(ウェインショーターが叩いてるのでわかりやすいですが)3-2クラーヴェですね。

有名なこの曲は2-3クラーヴェ(のはず)。
このクラーヴェの感覚ってのはラテンのキモらしく、クラブにサルサ踊りに行ったりするとイケメンキューバ人が女の子にサルサの踊り方教えてるわけですが、その時も「ワンツースリー」じゃなくて、こういう感じで「・ウノ、ドス・ウノ・ドス・トレス」ってカウントしててかっこいいです。
もっとハデなの。かっこいい。拍がどうなってるのか数えてみてくだいさい。
あれ、サルサの話になってきてしまった。続きはまた。