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ジャズ入門(34): フリージャズはデタラメではない

過去の記事を見直していて、オーネットコールマン先生の話デイブブルーベック先生の話とか読み直し、別件で山下洋輔先生のこととか考えてたら、セシルテイラー先生の名盤を聞きたくなりました。

これほんとに名盤なんよね。CDで入手するのずいぶん苦労したんですが、いまじゃSpotifyで一発だもんねえ。

日本に来たときに日本のレコード会社が録音したものなので入手しにくかった。まあこういうの聞くのはヨーロッパか日本人。

セシルテイラー先生とブルーベック先生の話っていうのは、テイラー先生は白人ミュージシャンを嫌ってたみたいなんですわ。あいつらは俺ら黒人の音楽を奪ってる、みたいな。文化的盗用ってやつですね。お金はいってこないし。

しかしブルーベック先生に対してはなんか特別のなにかがあるらしく、コンサートのあとでブルーベックがやって来て、君の演奏はとてもよかった、君のコンセプトは〜〜だろう、みたいな話をして、白人にもわかったやつがいると思った、みたいなインタビューを読んだことがあるんですわ。まあブルーベック先生は現代音楽にも詳しいインテリだし、テイラー先生もそういうの勉強してたわけよね。

この演奏も「フリージャズ」って言われるけどものすごく構築的で、でたらめとかとはほど遠い構造を感じますよね。1曲目のテーマらしき部分からそういうの感じるっしょ。クラシック白人作曲家が12音だのセリーだのブーレーズだのシュトックハウゼンだのやってるのと同じことを、我々はそれ以上に美しく、かつ即興でできるのである、というそういうあれだと思う。すばらしく美しい。

このアルバムにはさらに別の思い出もあって、ジャズ喫茶でバイトしてたときによくかけてたんですが、ときどきふらっと来るインテリ風のおねえさん女性客がいて(おそらく近所の病院の看護婦さんとかそういう感じ)、その人がどういうわけかリクエストしたことがあったんじゃないかな。その3〜4年後ぐらいにふらっときたときがあって、そのときにかけたら「あら、なつかしいわ」みたいな反応があったりして。まあどうでもいい話。名盤だから聞いてください。

もう1枚、山下洋輔先生とパーカッションの富樫雅彦先生がやった『兆ライブ』っていうアルバムが好きで、これも苦労して入手したのに紛失してしまってるんですわ。いまamazonで4800円でさすがに買えない。Spotifyなんとかしてください。てか日本のレコード会社はやく対応しましょうよ。

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無調音楽入門(6) バルトークはかっこいいよ

まあシェーンベルクがいろいろやってるときに有力だったのはドビュッシーのライン、ラヴェルやストラヴィンスキーのライン(ドビュッシーとラヴェルはぜんぜん違う派閥なのではないかと思います)、そしてバルトークのラインですか。

バルトークは好きなんすよね。なんていうか、ちょっとインテリのふりしたかったらiPodにバルトークの弦楽四重奏入れておいて通勤に聞くといい、みたいなそういうウケ。まあそういうかっこつけはおいといてもよい曲をたくさん書いてます。

今「中国の不思議な役人」とかいくつかの演奏バージョンで聞いてるけど、かっこいい。

まあこういうのはパソコンのスピーカーじゃうまくなならないので図書館とかでCD借りてみてください。金管楽器がブウブウ言うし弦楽器も暴れまわるし。

おそらくYoutubeにはバレエの動画もあると思う。

バルトークがなんぼ偉かったか、というのは、これ書いているときのお手本の一つにしている小倉朗先生の名著『現代音楽を語る』を読むとわかります。この本はすばらしい一冊なのでぜひ入手してください。1970年の本で、日本の作曲家たちがどういうふうに無調音楽とかを理解していたのかもわかる。

現代音楽を語る (1970年) (岩波新書)

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ジャズ入門(16) オーネットコールマンのフリージャズ

マイルスと同じように、うまく吹けないけど一発当てたい男がいました。あんまり頭もよくないし教養もない。音楽理論とかちゃんと理解できない。そもそもチューニングもできない。さてどうするか。

答:あまり考えずに自由にやる。ただし白人インテリのバッアップを受ける。

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