レポート提出の工夫: 「指定の表紙」

レポート提出してもらうときは「指定の表紙つけて」とかってのにしてます。このまえ使ったのはこんなの。スクリーンショット 2016-09-04 22.21.29

レポート表紙

しかしこれあんまり機能してなくて、学生様は適当にチェックしてくる。ウソツキ!とか叫びたくなりますね。

次つくるときは「レポートの本読んだか?」のところは「読んだレポートの書き方本のタイトル書け」にしようと思ってる。出典の書き方とかおかしいときに、「君の読んだその本にほんとにそんなこと書いてたかね」みたいなこと書きやすいし。

レポート提出の工夫: 提出レポートはPDFで全員に公開する

そういや、この「教員生活」シリーズあったの忘れてましたわ。

レポートのコピペとかっていうのはいまだにSNSでは話題ですが、まあそれは出題が悪いですわね。やはりコピペできないような出題したいとかってのは思ってます。

コピペについてはいろいろ言いたいことはあるんだけど、今年試してみてよかったのは、レポートは紙とPDFの両方で提出してもらって、PDFの方はGoogle Driveにセーブして、受講者全員が全員の分読めるようにする、っていうやつ。高得点つけた奴は別に数本選び出しておいて「こういうの高得点つけましたよ、全部じゃないです」ぐらいにしておく。Google Driveはフォルダごと公開できるので、URLはメールで一斉送信するなり、パスワードつきのwebページにおいとくなり。

「匿名にしたい人はPDFでは名前等いりません、紙で提出する際に表紙に書き込んでください」とかってことにしました 1)ファイル名はperlのスクリプトで番号( 123.pdfとか)にしたけど、ふつうはここまでやる必要はないだろう。

学生様がレポート嫌ったりコピペしてしまうのはそもそも書き方がわからないからなので、書き方がわかっている学生様、よく書けている学生のを他の学生様に見てもらうのは価値がある。自分の点数にもまあ納得いくだろうし。それに、「あなたのレポートの読者は私ではなく、他の学生、特に1、2年下の下級生、あるいはこの分野についてぜんぜん知らない人です、だからわかりにくい言葉や考え方もぜんぶ説明するのですよ、課題問題も、文献もちゃんと誰でもわかるように書くのですよ」とかっていうのも教育効果がある。

これの副作用の利点がもうひとつあって、成績表転記する際に「この学生様レポート出してないよな、落としていいんだよな、でも私紛失してるんじゃないかしら」とか不安になることが実はあるわけですが、メール検索してみればいいから楽。まあ学生様としては紙とPDFの両方出すのは面倒でしょうが。採点をディスプレイだけでできるって教員の人はPDFで提出だけでもいいかもしれませんね。でもこれはこれでメール届いた届かないで問題になるから、二重にして冗長化するのは教員にとってはそれなりに価値がある。

References[ + ]

1. ファイル名はperlのスクリプトで番号( 123.pdfとか)にしたけど、ふつうはここまでやる必要はないだろう。

質問の仕方 (2)

授業や説明会などのあとでは、必ず「質問ないですか」と聞かれます。これは、本気で質問を求めているというよりは、まだいろいろ話したいけど時間がないから、みんながどこらへんに関心があるかを知りないってことなのです。だから本気で「質問しよう」「質問を考えねば」「よい質問を」と考えるのではなく、「ここらへんもうちょっと詳しく話してください」みたいなのでいいのです。

面接その他の少人数の場合は特に、「質問する」というよりは、「スピーカーの人から話をひきだす」ってのを心がけてください。基本的には、すでにしゃべったことの具体的な話をしてくださいと言えばいいのです。

あと、就活のグループディスカッションとかだと延々しゃべるやつに一方的にやられてしまうから、話に割ってはいるとかつっこみ入れるとかそういうのもあえて練習しましょう。人間は自由なのです。

→ 質問の仕方 (1)

少人数なら学生様にショートスピーチしてもらう

前にも書いた記憶があるけど、探すの面倒だから書きなおし。

勝手に心の師匠の一人としているoptical_frog先生が、授業でのショートスピーチの話を書いているので、教員は参考になると思う。

ただし、フロッグ先生はなにごともちゃんとしすぎているので、「そんなん私には無理」「たいへんだなあ」みたいになってしまう人もいるかもしれない。というわけでダメ教員ならどうしているか。

私も少人数授業では簡単なスピーチしてもらってるんだけど、あんなちゃんとしてないっすね(だからうまくいかない)。先生のそれぞれを私はどうしているのかだけメモ。

私自身は、授業毎回全員にほんの軽くスピーチしてもらってる。「学園祭期間なにをしますか」「好きな言葉を教えてください」「おすすめのマンガを紹介してください」「サークルやバイトを紹介してください」みたいな日常的なこと。

1人30秒か1分か。最初は30秒や1分の感覚がないので、キッチンタイマーで計測して、とにかく1分話してもらう、みたいなこともすることもある。

10人だと30秒ずつでも10〜15分かかっちゃうけど、それだけの価値はあると思ってる。スピーチ内容はポジティブなことだとすこし明るく授業できると思う。まちがっても「いままで一番つらかったこと」「最近腹がたったこと」みたいなのはだめ。

学期で、2、3回はそれぞれを自分自分のスマホでビデオとってて、授業中に時間とって自己評価してもらったりもする。これはほんとうに効果がある。

「みんなスマホ出して」って出させて、動画モードにして準備させる。私がとるときもあれば、対面に座ってる学生様にとってもらったり 1)カメラまわり、iPhoneは他のスマホより優秀だと思わされますなあ。だいたい手にもったときの質感がぜんぜんちがうし。

あと「必ず最初に名前を言うこと、「こんにちは江口です」からはじめてください」って指定しているので、私自身が名前おぼえやすい。学生様というのは実は同じ少人数クラスにいても御互いにちゃんと名前おぼえてなかったりするので、その対策にもなる。(ついでにクラスのメンバーの名前や、何をしゃべったかとかぜんぶメモするのだ、みたいにしてメモの習慣つけさせるのにも役立つ)

Step 1:クリアすべき項目を解説する

うん。これはやる。

そもそも学生様というのは人前で話すっていうのにすごく抵抗があるみたい。まあ高校とかで一人で話すのって、授業で当てられたときか、あるいはホームループの3分間スピーチみたいなやつぐらいだもんね。(2、3ヶ月に1回ぐらいか)

「とにかく人前で話すことに慣れる、っていうのがゼミの一番の目標です」っていうのは1〜3回生までずーっと言いつづけますね。これは本気で、「うまく話す」とかってのはもう考えてない。とにかくなんでもいいから人前で話せればOK。

「いずれこれだけマスターしろ」って最初に言うのは

  • 姿勢と手の位置
  • 立ったり座ったりするときの動作
  • 視線
  • 表情

弊社の場合、ゼミなどは1回生から4回生までだいたい15人以内なのであんまり声の大きさは問題にならない。

姿勢はけっこう大事で、ちゃんと背筋のばすとかっこよく見えるよ。手の位置っていうのは、ふつうなにもしないと手をだらーっと落としてだるい「気をつけ」みたいな力のない姿勢で話をしてしまう学生様がけっこういるので、「手はなるべく上にしておく、手振りいれてもいい」とか。

視線は当然として、表情は「最初はあいさつからはじめて笑顔一発いれろ」みたいな。まあこういう非言語コミュニケーションというかボディーランゲージというか、そういうのがちゃんとしてくると人間らしくなってくる。1、2回生だとここらへんだけ何回もあれする。

5人くらいなら座ったままでやるけど、それ以上の場合には立って話してもらう。このとき、1〜2回生だと、バッグやイスでもたもたしてうまく立てない。そういうのはかっこ悪いから、さっときれいに立ちあがってください、みたいな。

話し方や話の内容はもうずっとあとだわねえ。3回生ぐらいになってから。

あと、話し方より聞き方、他のメンバーがしゃべってるときに聞くときの姿勢や視線、うなづきその他のリアクションはとても大事だ、そういうのなにもないとしゃべりづらいでしょ、みたいなのも何回も言う。

Step 2: 教員が実演する

まあ初回、2回目ぐらいはやるけど、慣れてきたら面倒だからやらない。すみませんすみません。むしろスピーチしてもらったのにつっこみ入れたりしてちょっとだけ面接っぽい会話する感じ。「バイト先」って言ったけど、バイトなんだっけ?」「その〜ってのはなんですか」みたいな。

ただ聞いてる姿勢は気をつけてるつもり。いちおうそれが見本のつもりだけど、まあ私の姿勢を本気で真似されたらこまるねえ。

Step 3: 聞いてる学生様たちにもコメントを書いてもらう

いちおうコメント用紙は用意しているけど、他人に使うのは2、3回かな。これは全員のスピーチにやると時間がかかるので、まあプレゼンの練習とかさせるときだけ。自分のビデオ見るので十分かな、みたいな感じはある。自分のビデオ見た場合は自分について書いてもらう。

Step 4: フィードバック

面倒だから紙ではやらない。その場でなるべくほめるようにはしているけど。自己評価の紙提出してもらっても、このハンコ押して「あとは慣れです」ていどコメントして返すぐらい。

CSzZKZyUYAAOpAp

References[ + ]

1. カメラまわり、iPhoneは他のスマホより優秀だと思わされますなあ。だいたい手にもったときの質感がぜんぜんちがうし。

大福帳その後

いざ授業はじまったら忙しくて死にそうでここのブログのことなんか忘れてますた。夏休みも採点やらなんやらしてたら低調に終り、秋はじまってまた死にそう。なんだかなあ。

大福帳はその後どうなったのかというと、こんな感じに学部で色わけして数字で学年を書く感じにおちつきました。(授業によっては学籍番号の下3桁の最初の数字を書く。100番台は1、200番台は2みたいな感じ)

Evernote Snapshot 20151031 091325

200枚越してても5〜10分前に教室に入って色別に長机にばらまけばだいたいさばける感じ。

非常勤歴メモ

1995年4月 – 1998年3月 美原看護学校非常勤講師(倫理学)
1995年10月 – 2001年3月 大阪教育大学非常勤講師(倫理学)
1995年10月 – 1996年3月 京都教育大学非常勤講師(倫理学)
1996年4月 – 1998年3月 龍谷大学非常勤講師(哲学、倫理学)
1996年4月 – 1998年3月 滋賀技術能力開発短期大学校非常勤講師(英会話)
1997年4月 – 1998年3月 大阪薬科大学非常勤講師(ドイツ語I・II、人文科学)
1997年4月 – 1998年3月 京都学園大学非常勤講師(倫理学、倫理思想史)
1998年2月 – 1999年3月 滋賀大学非常勤講師(倫理学)
1998年4月 – 2000年3月 阪南大学非常勤講師(倫理学)
1998年4月 – 1999年3月 京都府立医科大非常勤講師(ドイツ語I・II、倫理学)
2002年4月 – ?年3月 立命館大学文学部非常勤講師 (倫理思想史I・II、応用倫理I・II)
2005年9月 – 2006年3月 京都府立医科大学非常勤講師(倫理学)
2008年4月 – 2013年3月 京都大学非常勤講師(倫理学基礎論I・II)
2011年4月 – 2013年9月 滋賀医科大学非常勤講師(倫理学)
2015年4月 – 2016年9月 立命館大学非常勤(英語購読、前期のみ)
2015年4月 – 2017年3月 同志社大学非常勤講師(倫理学特講I・II)

大人数授業で大福帳を使えるか

向後千春先生あたりが一部で流行させた「大福帳」ってのがあるんですわ。

向後先生の「すべての授業で大福帳を使おう」あたりを参照してもらえばいいと思います。授業回数(例えば15回)の分の出席カードを質問・コメントシートをいっしょにしたもので、その1枚のシートが教員と学生様の間をいったりきたりするんですね。「シャトルシート」とかっていう呼び名もあるのかな。出席票を付ける必要がないのでかなり便利。(下のは向後先生のページから)

先生が「大福帳テンプレート」も公開してくれているので、これを出来る限り厚手の紙にリソグラフかなんかで印刷するだけです。厚手の紙はたいていの大学の印刷室にあるので、係の人にたずねてみてください。

私はこのシステムは3、4年つかっています。主に1、2回生のゼミや語学の授業で使うと、出席を記録しておく必要がないし、ちょっとした連絡にも使えるし便利。「〜さん」って名前呼びながら返すことになるので、名前覚えたりするのにも役立つ。

本来の目的である学生様からのフィードバックと、それに対するこっちからの反応っていうのは、少人数のではかなりうまくいくのがわかってて愛用していたんですが、今年はこれを100人超の大人数授業でも使ってみようと試しているところです。一番問題になるのは、どうやって学生様に配布・返却するかなんすよね。座席を指定して順番に置いていくとか、授業前にフォルダにいれたものから各自とっていってもらう、みたいな手法が紹介されているのですが、それでうまく返せるかどうか不安。そもそも回収したときに分別するのも不安だし。

大福帳

いろいろ考えて、1回め回収したときにこういう感じで蛍光マーカーで色と記号というかアイコンみたいなの塗ってみました。こうしておくと、出席番号が001〜020ぐらいの学生さんはピンク色の蛍光ペンで線が1本書いてあるやつで、みたいになってお互いにわかりやすい。分類もしやすいし、机のうえにでも1〜50番ぐらいのをざらっとならべておいても学生様もすぐにとってけるだろう、みたいな。

今日ざっと配布するのと回収するのは問題がないことがわかったので、来週今日よりもっとうまくサバければ使えると思う。どうだろうか。おそらく授業開始15〜20分前に教室に入って、最前列の机の上にばさーってひろげて、スライド映すパソコンの準備したりトイレ行っといたりコーヒー飲んだりしたらちょうどぐらいな印象。こういうコミュニケーションシートを書かせるのは学生様が教室から退出するのをバラけさせ、ガヤガヤさせにくくするというのでも益がある。(かつ15分ぐらい前に授業はおわってしまうので体力的負担も少ない。いいことずくめ)

図書館をつくる

私の考えでは、大学教員の大事な職務の一つに「図書館を作る」という仕事があります。

大学図書館というのは非常に重要な場所で、予算も大学全体の予算のなかでもけっこうな割合担っているはずですし、「図書館長」は以前は大学学長につぐ「大学ナンバーツー」だった時代があるようですね(いまはどうか知らないけどやっぱり偉いと思う)。

まあ大学教員は、「熱心な学生様にはぜひここらへんも勉強してもらいたいなあ」みたいに思って授業の資料を一生懸命作って「参考図書」とか一生懸命のっけてるわけですが、その図書がちゃんと図書館に入ってない、みたいなことは多いんですわ。これはいかん。やっぱり「参考にしてね」っていった本はできるかぎり図書館に入れておきたいものです。まあ専門的な外国語文献まで入れておく必要があるのかは大学の性格によって微妙だけど、おすすめの日本語の本はばんばん入れておきたいですね。

どの大学でも「講義関連図書」とかの予算はあるはずで、授業で参照したらばんばん図書館にリクエストしたい。他にも「教職員希望図書」みたいな制度もあるはずだし、常勤だけでなく非常勤の先生も使えるはずです。

公共の図書館の職員や司書さんたちというのはいったいどういう本をいれればいいのかわからないんじゃないかと思います。教員の方が、少なくとも自分の専門に近いところではどの本が良い本で学生様などにおすすめできるのか知っているわけだから、積極的に図書館作りたいものですね。

もちろんいちいちOPACでチェックしたり書類書いたりするのはけっこう手間もかかるものなので、非常勤とかで行ってるだけの大学の図書館にどのていど手間かけるのはっていうのはあれですが、少なくとも専任の人はちゃんと図書館に気を使うべきだと思います。

授業ログをつける

授業の記録(ログ)はすごい重要ですね。若いころは1週間ぐらいのことは覚えておけたけど、最近はもうなにも記憶しておけない。この「数日〜1週間前」ぐらいの中期的な記憶が一番やばくなってる感じ。大学教員も長年やってると同じような話を繰り返すことも増えていて、「この話は先週もやったのではないか」みたいな恐怖を感じることも少なくないです。とにかく1行でもいいから終了時にメモしておくと恐怖が少し減る。

とにかく記録する。これまではエディタのEmacsの上でのhowmっていうメモアプリを使ってたんですが、今年はEvernoteにしようかな、みたいな。紙のノートでもいいんだけど、ちょっとうまく整理できなくて。Evernoteでは「ショートカット」に登録して、さらに前日にリマインダしかけておきますかね。

書いとくのは、ごくふつうのこと。授業で話した内容、つぎにやる予定のこと。出した課題、あと少人数なら欠席した人をチェックしておくのはだいじですね。気になったこと。その他なんでも。

ショートカットとリマインダでこんな感じ。

スクリーンショット 2015-04-06 11.28.32

学生様の名前の呼び方

学生様の名前の呼び方は面倒ですね。

まず「〜くん」なのか「〜さん」なのか。私はこれまで男性は「名字くん」、女性は「名字さん」と呼んでましたが、ジェンダーニュートラルにするためにどっちかに統一する必要があるのではないか。その場合は「さん」づけになりますかね。人生の師の一人と仰いでいる老師は、目上でも年下でも男女だれでも「〜さん」でかっこよかった。

女子も「大島優子君」みたいに呼ぶのはなんか偉そうでかっこいい。「福沢諭吉君」みたいな「くん」づけ文化は悪くない気がします。

今年問題になりそうなのが、1回生の前期のゼミは名簿順で機械的に割り振られるために、全員「山」からはじまってて、とくに「山本」の人が5人もいるんですよね。しかし女子を下の名前で呼ぶのも抵抗あるんよね。「莉乃さん」「みなみさん」もなんかあれだし、「友美君」「敦子君」「麻友君」とかになるのかか。いやこれもおかしい。やっぱりフルネームになるんすかね。全員フルネームで呼ぶことになるかもしれないなあ。

まあ中学高校の先生とかはフルネームが基本だと思うし、「フルネームさん」になるんすかね。相対性理論の地獄先生もそういうの悩んでたかもしれませんね。