まだパーソン論

“個”からはじめる生命論 (NHKブックス)

“個”からはじめる生命論 (NHKブックス)

  • 作者: 加藤秀一
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本
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興味深いのは、生命倫理の文脈で有力視される功利主義的議論が非常にシンプルな快楽説に
基盤を置いているようにみえることだ。とりわけ「パーソン論」と一括りにされるタイプに
そのことは顕著である。(p. 54)

功利主義と日本でいわれる「パーソン論」はあんまり関係がない。

そうした議論の代表格は、オーストラリアの哲学者マイケル・トゥーリーが
論文「人工妊娠中絶と嬰児殺し」(1972年)で展開したものである。
そこでトゥーリーは、まず「生物学的規定としてのヒト」と「倫理的・道徳的規定としてのヒト」
を区別する。ある存在者が、事実問題として前者に属するとしても、すなわちある意味では
ヒト=人間であるとしても、それだけでは後者の資格を与えられるわけではない。
ヒトは道徳的配慮に値する存在者、言い換えれば「権利の主体」であるためには、
「パーソン」(人格 person)でなければならない。」(p.54-55)


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