売買春の実態調査は難しい (6) 補遺

各国の売買春事情についてのProConはちょっと信頼できないなあ、みたいなことを書いたんですが、その後、ProConが根拠にしている The Continuum Complete International Encyclopedia of Sexuality: Updated, With More Countries (2003)ってのをちょっとめくってみました。

この本は分厚いというか凶器になるでかい本で、各国のセックス事情が各種の統計データを参照してまとめられてる、みたいな本です。たとえば日本Japanの項は百科事典サイズで44ページもある。おそらく有用。ただし、最初は日本人が書いたものに、Updateのために編集者の人とかが新しい項目立てたり、情報を追加したりしているんですね。

Prostitutionの項は、もともとの日本人著者の版では存在してなくて、1997年に編集者のFrancoeur先生が Barnoff 1991ってのを典拠に書き加えてますわ。最初のは統計資料使ってちゃんとしているのに、ここであんまり信頼ならんものが入っちゃってる。

ストリップ劇場とかは警察とずるずるなので、いつ手入れがあるかわかってますよ、みたいな、90年代でもそうかなあ、みたいな話が紹介されたりしている。もう一つはソープランドの話で、Barnoff先生がソープランド体験した話をそのまま引用している。あと内閣府の古い調査とかをBarnoff先生が参照しているのを孫引きしたり。あんまり質のよいものではないですね。

しょうがないので、そのBarnoff 1991、つまりThe Pink Samurai: The Pursuit and Politics of Sex in Japanも入手してみましたが、すごいページ数で読めない。まあ「日本に滞在してエッチな見聞してきたよ」ぐらいの本です。アカデミック味はぜんぜんない、ジャーナリスティックというか、まあそういう感じの。変な国をおもしろおかしく、みたいな。あんまり読む気になれない。

ってんで、まあむかし毎日新聞WaiWaiとかが飛ばし記事みたいなのばんばん書いて世界に発信していた、みたいなのを連想しましたね。あんまりコメントに値するものではないです。

まあどうでもいいような本 → ちゃんとした専門事典 → ネットの大手サイト → Wikipedia (en)ってな感じで情報がおかしくなってるような気がします。ソースロンダリングってんですかね。

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