ジャズ入門(5) ビバップはスピード勝負

んでまあまた鑑賞に戻りますが、そういうことを考えてミュージシャンはいろいろやっているのです。考えてると時間がかかるわけですが、それをどう時間かけずに速く弾くか、ってのを競ってるわけですなあ。スピードキングはもちろんパーカー先生。

前のエントリでアートブレイキーの54年のを聞いてもらいましたが、これは1946。トランペットはガレスピー、のはず。あれ、マイルスに聞こえるなあ。まあ調べます。マイルスみたいっすね。テーマのあとに、バンプ(くりかえし)があって、そのあとのパーカーのブレイク(大見得)が聞きどころ。ピロピロピロピロー。

これは前の和声の話でやったコードの分解みたいなのをやってるんですな。もっと有名なのがあるけどな。youtubeにあるかな。

お、あるある。これはすごいよ。

Ornithologyって曲も入ってるしよいですね。アルト、トランペット、テナーの3人が腕を競っております。とにかくどれだけ速く弾くかが勝負。聞く方も音の粒々に集中してききたいです。

まあ音あんまりよくないからあれなんですが、これと比べると、54年のブレイキーのはたるいというか勢いは感じるけど繊細さやスピードの点で劣ってる。あれのルー・ドナルドソン先生ももちろんこのパーカーの演奏は何十回も聞いて知ってるわけですが、こうはできないので悔しい思いをしているわけです。この曲はこのブレイクの部分でなにをやるのか、っていうのが聞きどころになる。まあパーカーと勝負しようって人はいないわけで、どうやってこの演奏を思いうかべながらあれするか、みたいな。

実は55年ぐらいからのハードバップっていうのは、パーカーとかのこういう高度な技術と知識と感覚にささえられたビバップはたいへんすぎるので、もっと楽しくやろうじゃないか、みたいな運動だったんす。そんな一生懸命やらなくたって楽しく美しい音楽はできるよ、みたいな。ちょっと志が低い感じもするけど、まあパーカーとは勝負できない。

というわけでパーカーのような純粋ビバップという様式は45年ぐらいから50年ぐらいまででおしまい。誰もそのスピードに耐えられなかったんすわ。精神は残るわけですけどね。

(まあここだけの話、どう考えてもこの40年代後半から50年代前半の超スピードの音楽は薬物の影響を感じるんですよ。戦中〜戦後のドサクサといえばあの頭がすっきりして興奮するという薬物が思いうかびますよね。日本でもあれしたあの薬。いまでもあれしているあの薬。ジャズミュージシャン、特にパーカーというとヘロインって話になるわけですが、こういうタイプの音楽はダウン系の薬物やってたらできないんじゃないのかな。他のミュージシャンにもそういう影響を感じることがあるです。ハンプトンホーズのAll Night Sessionっていう有名盤があるんですが、あれもおかしい。やっぱりあれキメてたんでしょう。やっちゃだめですよ!)

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