キェルケゴールとわたし(博士課程・OD編)

  • まあ修論書いているうちにおもしろくなってきてしまって、いろいろ悩んだ末に内定ぶっちして博士課程に進んでしまう。ばかばか。でもまあ恐れおののきつつがんばるつもりではじめる。でも不安。
  • まあしかしとりあえずなんか国内のキェルケゴール研究者の人々とは違うことをしよう、ぐらいのことは考えてたような気がする。でもちまちま読むのは苦しい。
  • 国内の人々は基本的にキリスト教、少なくとも宗教学の関係者で違和感はずっとあった。
  • 宗教っぽいのそれ自体には自分はほとんどなにも興味をもってないことに気づく。キェルケゴールもそういうつもりで読んでいるわけじゃない。
  • 図書館で文献ちまちま集めているうち、少なくとも英米のキェルケゴール研究者がどんなことをやっているのかはわかってくる。何人か注目すべき人々がいるのもわかった。彼らの文章はわかりやすい。世俗的だし。
  • 研究室で出していた『実践哲学研究』に修論をもとにして「沈黙のヨハンネスはなぜ眠れないのか」ってのを書かせてもらう。このタイトルはいまだに好きだな。愛着がある。 http://hdl.handle.net/2433/59166
  • デンマーク留学していたY君編入。同い年なので仲良くさせてもらう。元気かなあ。
  • このころはキェルケゴールほっといて、もっぱら英米のメタ倫理とか読んでいる。
  • 林先生の授業でも「ヘーゲルとか意味わからん」とか暴れる。枡形先生の『不安の概念』の読書会でも「意味不明ですね」みたいなことを言うようになる。いかん。ごめんなさい。
  • ここらへんでキェルケゴールがかなりおかしい奴であることに気づく。ストーカーじゃんね。
  • 混乱した思想家だとは思うけど、やっぱり好きなものは好きではある。でも論文に書きようがない。
  • キェルケゴールの原文ももう躊躇せず英訳で読んじゃう。デンマーク語で1冊読むなんて何年かかるかわからんし。まあさすがに重要なところのチェックぐらいはするけど。日本語訳は桝田啓三郎先生の以外はほとんど使えない感じね。
  • D2のときに枡形先生の紹介でほぼ同じネタでキェルケゴール協会で発表させてもらう。でもタイトルや力点は変えて「キェルケゴールとヘア」みたいな。いちおうこの前の年の例会にも顔出してるのかな?この協会の会合は年2回あったんだな。誕生日(5/5)のころと命日(11/11)のころ。
  • キェルケゴール協会とその雑誌『キェルケゴール研究』ってのは基本的に大谷長先生が個人的にやってるものだったという理解でいいのかなあ。まあまあ怖かった。私が発表させてもらったときに大谷先生は「最大不幸者」の話して、すごい情熱でねえ。「シュムパラネクローメノイ(ともに死んだ者)諸君!」とかって。暗い。私は前座でもうなんというか軽薄な感じに見えたろうねえ。それなりに真面目だったんですけどね。
  • 関倫ではキェルケゴールじゃなくてヘアで発表している。これはひどい発表だ。発表態度もひどかった、というのはいまだにあちこちで言われる。すみませんすみません。
  • 日本宗教学会でも発表したか。「公開性の問題」みたいなの。原稿なくしちゃったよ。宗教学会は会費滞納してクビにになりました。ごめんなさい。関哲でも「キェルケゴールは反哲学者か」みたいなの。これはひどかったんじゃないなあ。ここも会費滞納でクビになってます。ほんとうにすみません。
  • D3ぐらいになるともう生活があっぷあっぷでどうにもこうにもしょうがない。基本的にDのころはお金もなかったし、精神衛生も最低でもう死ぬかと思ってたなあ。
  • まあとにかくキェルケゴールは精神衛生に悪い。どうしたって「自己」とか「絶望」とかネガティブなものに目を向けることになるし。ぜんぜんポジティブなところがない。
  • OD1年目、また『実践哲学研究』に「主体性は真理である再考」みたいなの書いたり。 http://hdl.handle.net/2433/59202 まあここらへんずっとアイディアは同じ。いろいろ試しているつもりなんだけど発展してない感じ。でも本当はこのアイディアをなんとか形にして博士論文にするべきだったんだよな。でもできない。
  • OD 2年目ぐらいでもうほとんど死んでる状態。勉強のことなんかほとんど考えてない。人生お先まっくら。絶望とは死に至る病である。
  • まあでもこの間枡形先生には本当にお世話になったです。訳書は『キェルケゴール: 新しい解釈の試み』ってのと、『宗教と倫理』ってのにかかわらせていただきました。読書会とかはつらい生活のなかでも一瞬の楽しみだった気がする。

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