レポートについてつらつら

もうすぐ本格的なレポートの祭典がやって来るのが恐い(今日あたり小包が届いちゃうはず)。

どうも

とかでなんか御意見いただいたようなので、お返事書いておくのがあれなのかなあ。

このブログは余計なことを書いて女子大生に説教されるのが目的だから、(おそらく)男子学生から説教されるのはちょっとあれなんだけど、めったにからんでもらうこともないし、説教されるの自体は嫌いじゃないからやっぱり反省しないとな。そういや
別のところでも「新手の夜回り先生か!」とか書かれちゃったような気がするから、もっと説明的に「女子大生から説教されて反省するM男教員日記」とかにしとくべきだったな。

上のsjs7学兄には特に反論とかないんだけど、人文系の大学教員がなにを考えているんかってのは学生さんたちにはわかりにくいかもしれないから、つらつら自由連想してみるかなあ。

  • まあ正直、はてブがついた記事 はつまらん。陳腐で30個もブクマつくような記事じゃない。うまく書けてないし、おもしろくもない。戸田山先生の本読んだ方が365倍ぐらい役に立つ。
  • はてなに書いたやつだったら、むしろ、「レポートの書き方こそ自発的に調べてみましょう」 や 「なんで丸写しじゃだめですか?」http://d.hatena.ne.jp/eguchi_satoshi/20080715/p2 とか、「新入生はまず「大学での勉強」本を読もう」 とかの方がまだ情報量があると思う。学生さんはそっち読んでほしい。
  • はてなじゃないのだと
    「剽窃・盗用を避ける」http://yonosuke.net/~eguchi/memo/plagiarism.html が自分では重要だと思っていて、まだうまく書けてないというか説教としてはまだ練れてないんだけど、国内では似た記事を読んだことないからいろいろ批判してみてほしいところ。
  • そんでええと、なんだっけ。
  • えーと、まず「私は図書館に 行ってOPACを調べてみました。なかなか資料が見つからず苦労しました」とかいくらなんでも私が担当しているレベルの大学生は実際には書かんわね。実際にはもっと微妙。でも本質はけっこう近いと思う。
  • えーと、それから。えー・・・。あんまり自発的じゃない文章ってほんとに書きにくいね。なんか書きたいことがあるときはさらさら書けるけど、書かなきゃってんで書こうとすると書けない。sjs学兄が言ってるのはそういうことなんだろうけどね。
  • えーと。
  • そもそもまともなレポート書きたいと思わないひとは、レポートの書き方とかこういう
    ブログ記事とか読まんわね。だからそういう人に向けて書いているわけではない。
  • このブログの説教系のは、大学のホームページからリンクはっておいてうちの学生さんに読んでもらおうってのが主旨なんで。目につけば参考にするひともいるだろうぐらい。とくにはてな界の人に説教しようとか、世の学生全体に説教しようとかそういうんではない。もうちょっと有益なもの書きたいような
    気もするけど、まあこんなもん。
  • それにしてもまあ、やっぱりレポートとかってのがどういうものかよくわかっとらん学生さんてのは「はてな」とか2ちゃんねるとか読み書きしている学生さんが想像できないぐらい多いんよね。ネットつかっている学生さんはその時点ですでに勝ち組候補だと思う。中堅大学の情報格差みたいなんはとんでもないことになっているってのが実感。
  • えーと。
  • んで、学兄の中心的な主張のひとつは、「「正しい」レポート書けたって楽しくないなら意味がないでしょ」とか「授業が楽しくないからレポートがそんなんになるんでしょ」とかなんだろうと読んだ。
  • 「授業が楽しくないからレポートがそんなんになるんでしょ」については授業楽しくないのはその通りなんだけど、だからレポートがぐしゃぐしゃになるのかというとそうでもないような気がする。そもそもなにどう書いていいかわからないひとも多いのね。そういうひとが自分では一所懸命書いているつもりで「まず私は~を読んだ、~に興味をもったので次に~を読んだ」「私は~感じた」とか書いちゃう。これはまったく教育が悪いんで現在努力中なわけだ。
  • これについては、私自身は、ここ10年ぐらいの中学~高校の「調べ学習」がよくなかったんじゃないかという偏見をもっている。
  • そもそも大学でちゃんとレポートなり論文を書く練習しないで中高の教員になってしまう人が多くて、そういうひとが「総合的学習」だの「調べ学習」だの指導してどういう結果を出させりゃいいのかちゃんと理解しているってのはありそうにないんよね。きっとやっぱり「私たちのグループでは~に興味をもって図書館で探して「書名」を読んでみました」とか書かせちゃうと思う。
  • まあいいや。そういう話じゃなかった。
  • ええと。

    んで正しいレポートが書けるようになったとしても、それによってレポートを書くのが「楽しくない」と思ってしまったら、元も子もないと思うから何だよね。

  • まあ楽しいのは重要だよな。でも楽しさとかってのを直接に目指すつもりはないし、レポートや論文書いて楽しいと思えるようになるまでの道のりってのはほんとに長いよね。苦しいばっかりで。私自身はM2のときまで楽しいと思ったことがなかったなあ。いまだに苦しいばっかりで楽しいときはめったにない。いや、楽しいこともありますあります。
  • もっとも、レポートのお約束とかってのは楽しくするためのお約束でもあるんよね。サッカーのオフサイドルールとかとなんか似てる。もちろん最初はボール蹴ってるだけでも楽しいんだろうけど、試合やるときにオフサイドがないと、けっきょくゴール前にボール蹴りこんでみんなでもみくちゃになっちって、
    ぜんぜん楽しくなさそう。
  • あとまあ私が担当してるような授業でレポート書かすってのは、実際その学生の個性みたいなんを見たいわけじゃなくて、
    とりあえずそういう創造的なことをやるための基礎訓練みたいなもんで。サッカーでいえばパスまわしの練習させてるような感じでもある。もちろん選手は試合したいだろうけど、試合楽しむためにパスまわしみっちりやっとく必要もあったりするわけだろうと思う。
  • だからまあここで問題にしている800字とか1200字とかの
    レポート書くのが「楽しい」かどうかには私はあんまり興味がない。そういうので楽しいことがあるとすれば、たくさん書くことあるのをなんとかして800字に おさめるために取捨選択したり表現工夫したり句読点けずったりって工夫が楽しいだけだろう*1
    もちろん、3、4回生になって卒論に近づいてくるとまた別のことを考える。
  • あら、これ長くなりそうだ。ちょっと仕事しよう。
  • えーと。あとなに書こうとしてたんかな。
    学生から見ると大学教員てのは偉そうに見えるかもしれないけど、実際は誰もが知ってるようにしょぼしょぼで、もうなにをどうしていいかわからんのよね。さっぱり権威なんかじゃない。
  • 私も非常勤時代から含めて12、3年も大学で授業してるけど、
    いまだに試行錯誤中。だいたいわれわれのほとんどは教授法みたいなものを一切勉強したことがない。これはほんとに一切。私自身は中高の教員免許さえ持ってない。
    教え方みたいなのは塾とか予備校とかで見様見真似のオンザジョブトレーニング。人文系の教員は、そもそも自分がちゃんと先生から教わってない人も多いはず。だから ティップス先生 http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/tips/ が公開されたときはいろんな人が驚いたし参考にしたんだと思う。学生さんもこれ読んでおくと教員がなに考えてるのか、なに悩んでいるのかだいたいわかると思う。
  • 一時期「FD」とかやってたけど、あんまり実りはなかったんじゃないかと思う。実際そういうのに興味をもつ教員はまともな人が多いし、まともじゃないひとはそもそも興味を持たない。
  • 教授法だけじゃなく、やってる学問の内容について問題のある教員も少なくないかもしれない。いちおう大学で教えている以上、学会や研究会とか報告したり論文書いたりして、自分の理解や教えていることがまちがってないか常に確認しておく義務があるんじゃないかと思うんだけど、人文系だとあそういうのにまったく参加しない教員も少なくないよな。理系だとみんな必ず報告するんだと思うけど、人文系の学会は「若手社交界デビュー」の場みたいになっちゃってる。レジュメや教科書公開している人もめったにいない。哲学関係だと、定番の教科書ってものさえ存在しない。だから大学教員は自分のところでさえ誰がどんなこと教えているかさえ知らないことが多いと思う。「せめてシラバスぐらいちゃんとしよう」みたいな話が進んでるけど、現状は周知の通り。
  • 雑誌査読とかってのも人文系ではうまく機能してない分野もありそう。私が属している分野だと、そもそも雑誌論文とか参照している論文が少ない。日本語文献の参照自体が少ないし。
    引用されるのは書籍が中心だけど、そういうのは査読なんか関係ないから好きなこと書ける。だれもチェックしない。以前はちゃんとした出版社のものはちゃんとしてたみたいだけど、今はほんとに玉石混交。まあたいへん。 
  • 内容は立派だけど様式がぜんぜんだめな学生レポートや卒業論文ってのが存在するかどうかってのは興味深いネタだよな。まあ、あるかもしれん。特に哲学や社会学は斬新な書き方ってのがまだ可能かもしれんわな。ウィトゲンシュタインだってギアツだって、当時の人にも異様だったろう。まあでもいま『論考』や『探究』や”Deep Play”みたいなん卒論にされても困るわね。天才には天才にふさわしい表現方法がありそうだ。でもそんな天才がわたしの担当にいるとは思えんし、いても私の手にはおえない。そういうひとは「レポートの書き方」とか興味もつ必要ない。だいたい、何度も書くけど、正直なところ、教員は(少なくともふつうの講義形式の授業程度では)学生一人一人にそんな興味はない(これが先日の記事で一番書きたかったこと)。
  • あとあれだね。sjs7学兄はしばらく前に福耳先生がなんか騒ぎおこしたときに大学教員に対してうたがいを持つようになったのかな。あの件については別のところにこっそりこんなことを書いてたのを思いだした。
  • 福耳コラムの人のトリアージ炎上。ばからしい。これはあれだよな。学生に書いてもらったコミュニケーションシートからなにを読みとるか、っていう問題なんじゃないかしら。福耳の人の感じもわからんではないのだが、ちょっとナイーブすぎるかもしれん。っていうかコミュニケーションシートに何を書いてほしいのか、なにを期待しているのかをはっきりさせてないのが原因なんじゃないのかとか。あとで自分がコメントシートになに書いてほしいと思っているのか考えてみよう。

  • まあ課題を明確にせずに、ただ「感想書いてね」とかだったら「かわいそう」とかになっちゃうよね。レポートとかも(私を含めて)課題はっきりさせない人たちも多いんで、「私は~と感じました」になっちゃう。それつかまえて「かわいそう」ってのはアレだ、とかひどいわね。そういうのにいらだつ学生さんもたくさんいるだろうと思う。だから大学教員の大半がだめなのはその通り。
  • ええと。あと、レポートきっちり書く訓練すると、「言いたいこと言うまえにちゃんと調査しないとなあ」とか「他人の文章はなるべく好意的に読まなきゃ」とか「前後の文脈重要だな」わかってくると思う。たとえば「学者は一万部ぐらい単著を売ってから説教しろ」は効果的じゃなくてぜんぜんだめだと思う。。ちょっと調査すればもっと効果的なプゲラも書けるようになる。たとえば、
    • 教員500部でいいから1冊ぐらい単著書いて流通まわしてから説教しろ」
    • 「博論書いてない人に説教されてもなー」
    • あれが論文/レジュメか
    • みんなのキャンパスであんな評価のやつが説教か
    • 誤字脱字さえ直せないやつがなんで説教してんだ

    とかの方がもっとプゲラやクスクスとして優秀に見える。

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  • 古いね。あらずれたか。使ったことないからAA苦手。まあリアルでもよく似てる*2。「単著なくて許されるのは助教までだよねーきゃはは」も貼りたかったけどやーめた。
  • まあ他にも、たとえば大学教員がいかにダメかをレポートするんだったら、
    こいつはこんなダメなこと書いてる、大学教員は(一般に)こんなダメなやつらだ、俺んとこの教員はこんなことしてやがる、っことを典拠や具体例あげて具体的に議論してくれないと、やっぱりオレオレレポートやオレオレ論文になっちゃって、わざわざ読んだり理解しようっていう気にはなりにくいんよね。よっぽど文章に芸がある場合や、もとからその人に関心ある場合はそれでもおもしろいのかもしれないけど、ふつうは、はあ、そう感じましたか、ぐらいで終っちゃう。「どう
    してそう感じますか?論拠は?思いこみじゃないの?読みちがえてない?」とか好意的にたずねるのはゼミや卒論面倒みさせられてる学生ぐらい だよな。特に誰かを批判する論文やレポート書くときはなんかもとのものよりも情報量を増やしたいよね*3。こういうのもレポートまじめに書く訓練しているとだんだんわかってくるような気がする。レポートではなるべく我を消して対象に向ってほしいってのはそういうことでもある。私もそういうのがわかりはじめたのはついここ1、2年。まだちゃんとはわかってない。そういうのに対して忸怩じくじく。
  • まあそういうわけで、大学教員の大半は権威だと思う必要ないし、権威じゃないひとの大半はだめだめなので、あんまり大学教員がブログとか書いてることをまに受ける必要もなければ、気にする必要もない。ただ偉い人や権威な人もいて、そういう人のいうことはちゃんと聞いた方がいいと思うけど、そういうひとはブログとか書いて時間つぶしたりしないから本読んだ方がよい。
  • あと正直なところ、レポートだの論文だのは言いたいことを言うためのものかどうかも微妙。私の感じではあんまり認めたくないことを認め、言いたくないこと言わなきゃなんないのが学問とかそういう感じがあって、これはアレだよなあ。微妙。
    まあ自発的に言いたいこととか自分語りとかはチラシの裏かブログとかに書きなぐる。これははっきり楽しい。このエントリみたいにもうひとつ自発的でないのはやっぱりおもしろくならんね。うん、やっぱり自発性は大事。終了。
  • ちなみに大学教員はおそらくキャバクラとかなかなか行けないと思う。お金ないのもあるけど、学生さんが働いてて次の日に おもいっきりプゲラされる可能性があるし*4。だいたいそういうところでいつも会ってるようなものと話してなにがおもしろいのかわからん。では大学がキャバクラ状態かというとそうではなくて、逆にこっちが気をつかうのでむしろホストクラブに近い。どっちにしてもそれほど楽しいものではない。
  • でも昔から「説教パブ」とかって企画はもってんだよな*5
    カウンターの向うに女子大生が並んでいて、なんか粗相するのにオヤジが説教したり人生について語ったりする。女子はそれを「はい、ええ、そうです、ええ」とか聞きながら涙ぐんだりするとか。けっこうニーズはありそうだ。「今日の粗相はなんにいたしましょうか?」とか。メニューは「飲み物をこぼす」あたりからはじまって、「客の前で化粧直す」「客ほっといて携帯メールする」「つっぷして居眠りする」「ブータレる」とか。「君ねー、それじゃ社会でやってけないよ!お金もらってんでしょ?」とか。大学講義パブや大学ゼミパブもいいかもしれんなあ。お客がレジュメ作ってきて授業するの。「日本経済の動向」とかでいいじゃんね。店員はまじめにノートとってるふりしたりする。質問する子にはチップはずんでね、みたいな。私は行きませんけど。
  • 「説教されパブ」みたいなんは昔通ってたことがある。ママから「あんたはだからダメなんよ」「キョーダイセーは理屈っぽくて」とか言われるようなとこ。M男だから。いまはもうない。なむなむ。
  • あ、あと大学で大人数教養クラス担当させられる非常勤講師の絶望と、彼らの学生や常勤に対する敵意についても書きたかったんだけど*6、まあそのうち。
  • でもまあ、自分はまだベビーだからとおもってても、私もそろそろニセの権威や権力*7をもちはじめてんのかもな。誤用悪用しないように注意しないと。でももっと欲しいような気もするな。うはははあ。

*1:そういうんでは制約が多い方がパズルみたいで楽しい。実はこういうのはけっこうよい頭の訓練になる。

*2:諸般の事情によって今現在物理的に非常によく似てる。

*3:むずかしいんだけど、間違いを指摘するだけじゃなくて、どう間違っているのかを指摘し、さらに、なぜそんなふうに間違うのかの因果的な説明もする、とか。

*4:だから一部の人(うちの大学じゃないけど)はフィリピンパブとか中国パブとかそういう系統が好きらしい。私は苦手。

*5:あら、これスガシカオ先生もアイディア出してるらしい。

*6:学生からは常勤も非常勤も同じに見えるけど、ぜんぜん違う存在で。

*7:こっちの一部はニセじゃない。


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